カルマンソロジーらしい美意識に貫かれた、ため息もののサイドジップブーツが登場しました。

流麗でミニマムな、無駄のない美しすぎるシルエット。
抑揚をつけつつも、グラマラスすぎず、どこか禁欲的。
静かな中に凄みを感じさせる、オーラ漂う逸品です。

アウトサイドには一切切り替えが入らず、インサイドのジップ下とカカトのみで繋ぎ合わせた、非常に贅沢かつ高度な仕様。
通常、ブーツだと40デシ程度の革を使用するのですが、こちらは決め断ちができないので、倍の80デシ程度の革を使用しなければならず、高価ながら採算度外視の価格設定になっています。

スネ部分を立体的に成形するクリンピング技術の高さや型紙の正確さはもちろん、手吊り込みで強弱をつけながら歪みを調節するなど、日本の高い技術力が遺憾無く発揮された一足。

さらにジッパー部分はデッドストックのUSA製42TALON（タロン）をあえて使用。
しかも、務歯（エレメント）、引手（スライダー）、上止め、下止めの色を全て変えるというとんでもないこだわりで、ジッパーの存在感が際立ちます。
ブラックとゴールドのコントラストが素晴らしく、真鍮製ですのでエイジングも楽しめます。

グッドイヤーウェルト製法ながら控えめなコバの張り出し、既成靴ではお目にかかれない細かな運針が上品さを加速。
S字に捻れた木型はカルマンソロジーが提唱するローリング歩行を可能にし、量産のために単純化された直線的な木型の靴とは一線を画すフィッティングを実現。
捻れているにも関わらず、真上から見ると破綻の無い美しいフォルムになるよう細かく計算されています。

履き始めは返りの悪さからつま先部分が磨耗しやすいですが、初めからオリジナルのトゥスチールで補強されているというのも嬉しいポイント。
ターコイズブルーに塗られたアウトソールは工芸品のような美しさで履くのがもったいない気持ちにさせられます。

さらにヒールの積み上げ部分には目に見えないながらも現代的な仕掛けが。
特殊な低反発素材を高反発素材の硬いトップリフトと中反発素材の革でサンドイッチ。
これにより衝撃吸収性が増し、硬い地面からの衝撃も拾いにくくなっています。

アッパーにはキメの細かいルビーカーフを採用。
エルメス傘下のタンナー、デュプイ製です。

サドルカーフよりも少しコシに柔らかさが残る革ということで、包まれる様なこのブーツの形状に合わせたチョイス。
ルビーという名の通り、エイジングにより深く輝く様な美しさに仕上がっていくそうです。

レースアップ系のブーツのような脱ぎ履きの面倒さがなく、サッと足を入れて、サッとジップを上げるだけで履けるので、とっても楽チン。
スラックスなどドレス寄りのボトムスとも合いますが、あえてジーンズや軍パンなどカジュアルなアイテムと合わせていただくのも素敵です。
もちろん、ある程度かしこまった場面でも使えますので、オンオフ問わず大活躍間違い無し。

カカトを中心に沈み込みがありますので、初めは甲周りに圧迫感があるくらいのサイズ選びがオススメになります。
ご不明な点はお気軽にご相談下さい。

ここまで美しいサイドジップブーツは、国内外問わずそうそう見かけません。
非常にオススメです。

※ 天然皮革特有のキズや皺がある場合がございます。また革の表情は一点一点異なります。