フィルメランジェが定番的に展開する、メルトンウールニット生地シリーズ。
驚くほどの保温性の高さとニットならではの着心地の良さで、私も含め、年々愛好家を増やしています。

今回は比較的軽めで程よい厚み、伸縮性もあるネップ生地で登場しました。
こちらはそのシャツジャケットモデルになります。

上質なオーストラリア南部産ラムウールを使用。
生後半年程度のメリノ種の仔羊から刈り取られるため、繊維が細くて上品、しなやかな光沢と弾力性があります。

縮絨毛玉加工を経て完成した編地はしっかり目が詰まっているものの、ガサガサ感はなく、温かみのある柔らかタッチに。
チクチクする感じもなく、とても気持ちの良いフィルメランジェらしい天然繊維100%のフリース生地に仕上がっています。

ウールの特性である高い吸湿発散性はもちろん健在。
化繊のフリースのような蒸れや乾燥感がなく、とにかく快適です。

このシリーズ、非常に肉厚な生地でリリースされた年もありましたが、室内では暖房が効いていて、車移動が多い日本だと保温性がありすぎるという問題もありました。
が、今回は厚みをほどほどにすることで、軽くてしなやか、さらに快適な着心地を実現しています。

生地が以前より薄くなっても、ラムウールは繊維のクリンプ（縮れ）により多くの空気を含む為あたたかく、保温性が低いということではありませんのでご安心下さい。
今回はカラーネップもブレンドしてある生地のため、単調にならず、優しく温かみのある表情に仕上がっています。

シャツ仕立てですが、ハンドポケット付きでアウターとしても活躍する便利な一着。
裏地なしの一枚仕立てで軽やかながらも保温性はしっかり、カットソーならではのフラットシーム縫製により、ネルシャツなどとは異なる表情を醸し出しています。

フロントや袖口はあえてスナップボタンにすることで、よりアウター的な佇まいに。
襟裏には補強ステッチが入っていたり、ポケット口はカンヌキで補強してあったり、前立て裏や裾のガゼットはソフトなネル生地が充てがわれていたりと、細部にわたってしっかりと作り込まれています。

ハンドポケットは底に丸みをもたせた形になっており、ダーツ入りで少し立体的になっている上、後身頃まで覆うように両サイド寄りに取り付けられているのもユニーク。
ドロップショルダーのゆったりシルエットですが、サイドスリットのおかげもあって重くなりすぎず、サイズ3は女性の方にもオススメです。

ゆとりがあるので、インナーにパーカーを挟んだりしても良いですし、上からオーバーコートを羽織ってインナー使いするのもいいですね。
同生地を使用したパンツCLAPTONとセットアップで着ていただくのも素敵です。

このメルトンニットシリーズは例年高価で手が出しにくい印象でしたが、今回は価格も比較的抑えめ。
しかもこちらはアウターとして考えるとかなりお手頃感があってお求めやすく、お買い得な印象です。

こちらは淡いブラウンベージュをベースに、オレンジやピスタチオカラーのネップがうっすら覗く、優しいカラーリングになります。