昨シーズン、ツイードやコーデュロイ生地で初登場し、その作りとシルエットの良さで人気を博した、J.PRESSコラボのオックスフォードバッグストラウザーズ。
今シーズンはIvyの王道、グレーカラーのウールホップサック生地モデルが登場しました。

元々オックスフォードバッグスといえば、1930年代に英国オックスフォード大学の学生が学内で禁止されていたニッカボッカーズを隠すために上から履いていたものが起源。
つまり出自はいわゆるオーバーパンツのため、非常にたっぷりとしたボリューム感が特徴的です。

ただ、J.PRESSの型紙を使用した当モデルは、重ね着ではなく一枚での着用においてバランスの良い、適度な量感に調整されたもの。
また、本格的なテーラード仕立てということで、立体的かつ美しいシルエットも魅力です。

ツータックで渡り幅もたっぷり、ボリューミーな迫力のあるバギーシルエット。
とはいえ、ゆるやかにテーパードしていますので裾幅は極端に広すぎず、案外収まりが良くて履きこなしやすい形。

そして、使用されているザ・アイビーなグレーのウールホップサップ生地がこれまたスペシャル。
英国式紡績機でゆっくりと紡がれた素朴なシェットランドウールと、シオタと言えばのスビンコットンを掛け合わせたオリジナル素材。

200年以上の歴史のある希少なイギリス式紡績機は、生地のカール状(クリンプ)になった状態を引き伸ばしながら少しずつ撚りをかけていくのが特徴。
この工程を繰り返し行うため、糸の仕上げ工程でクリンプが戻り、手で紡いだような膨らみのある糸が出来上がります。

その「英式」シェットランドの味わいを活かすように、あえて相反する艶やかで品のある上質なスビンコットンと織り合わせることで、ヴィンテージ感がありながらもどこか洗練された上質感をも兼ね備えた風合いに。

ザックリざらりとしたタッチで、引き揃えの平織り組織ということで通気性もあり、ペラペラではないものの通年使いやすい生地感です。
そもそもワイドシルエットで肌に触れにくく、風抜けもあるため暑い夏も履きやすいかと。

また、内側を見ていただくと股シックやマーベルトなど要所を押さえたしっかりとした作りが見て取れます。
サスペンダーボタンも付いていますので、クラシカルなブレイシーズスタイルでキメるのもいいですね。

IVYスタイルのパンツを象徴するバックシンチ付きで、深い股上と2プリーツが相まって、腰回りは饒舌。
タックインしてこの部分を強調した履きこなしもオススメです。

ブレザーと合わせたアイビー／プレッピースタイルももちろん良いですが、ユル目のTシャツをタックインするだけで真夏も簡単にオシャレ感を演出できる存在感あり。
襟付きシャツと合わせてドレッシーに、スウェットなどのカットソーと合わせてラフに履くこともできて、思いのほか汎用性も高いです。

たっぷりとしたボリューム感ではあるのですが、クリースラインをしっかりキープしてハイウエストかつノークッションで履いていただければスッと端正なムードを醸し出せますし、逆にあえて腰履き気味にしてあげるとバギーでストリートな感じも演出できますので、ウエスト位置次第でかなり雰囲気を変えられるというのもポイント。

こんなクラスの生地を使い、この仕様・この仕立てで税抜き36,000円は相変わらず優秀。
これぞ生地部門も抱えているファクトリーブランドのなせる技です。

スーツの組下のような味気ないシンプルなものとは違い、単品で存在感と主張があって、イマドキのリラックス感も醸し出せる、カジュアル使いにもピッタリの秀逸トラウザーズ。
26から32インチまで買い付けましたので、男女問わずお試しいただけます。

特にレディースのパンツでこれほど本格的なテーラード仕立てのものは皆無に等しいかと。
パリッと履きこなしていただくと凄くカッコいいですし、耐久性もありますので遠慮なくラフに普段使いいただいても素敵だと思います。

男女問わず超オススメです。