シャツ感覚で軽く羽織れる優秀なライトアウターとして人気を博している、アケヨスのクラシックオープンカラージャケット。
今シーズンも素晴らしい生地を載せて登場しました。

奥行きのある色味とループヤーンがランダムに吹き出す味わいのあるチェック柄が見事に融合した素晴らしい雰囲気の生地は、もちろんオリジナル。
ツヤのある高級感を漂わせながらも温かみもあり、素人目に見ても明らかに只者ではないというのがビシバシ伝わってくるスペシャル感があります。

とても奥深いグレイッシュなブラウンのトーンがたまりませんね。
アケヨスがイタリア源流ということもあってか、キートンやアットリーニあたりのスーツで見かけそうなアダルトなハイエンド感も想起されます。

同系色の組み合わせでシックなチェック柄を構築したいとの想いから作り上げたというこの生地は、相変わらずの変態的探求の賜物。

経(タテ)糸にはトップ染めのチャコールグレーとブラウンの2色のウール糸を1本ずつ交互に並べ、そこにブラウンとモカの撚り杢糸を緯(ヨコ)に打ち込むことで、見事な深みを出すことに成功。
そしてこの生地の印象を決定付けるペーン部分にはトップ染めアルパカウールのループヤーンを使用することで、ところどころに大小のループが吹き出し、くっきりしすぎず味わい深い格子柄に化けています。

さらにミルド加工を施すことで表面を滑らかに整えつつ、細かな毛羽を残し、温かみがありつつもクリア、それでいてループヤーンがさらに混ざりあって奥深さも増すという相乗効果が。
理屈抜きに、思わずため息が漏れるような美しさです。

形としては、デザイナーが好むクラシックなオープンカラーをアレンジし、シャツジャケット型に落とし込んだもの。
シャツライクな一枚仕立てながら、ハンドポケット付きでちゃんとアウター的な佇まいがありますし、生地にスペシャルな高級感もあるため、ライトな着心地からは考えられないほどしっかりして見えるというのもポイントです。

肉厚な秋冬用のシャツ生地といった感じで裏地もないため、見た目よりも軽やか。
ペラペラではなくそれでいて極厚ではないため、秋から着れて、冬は中間着としても活躍してくれます。

一回り襟を小さく仕上げてあることで、襟を立てたり寝かせたり、ボタンを開ける数によって印象を変えられる可変性も大きな魅力。
春や秋はアウターとして大活躍間違いなしですし、冬は上から超ローゲージのニットを被ったりといったシャツ的な使い方も面白いかもしれません。

襟の表情やVゾーンの開き具合をアレンジすることで、幅広い着こなしに対応可能。
下にハイネックやタートルネックのニットやカットソーを仕込んでもいいですし、襟付きシャツとレイヤードするのも上品です。

生地に上品な存在感があるため、他はシンプルでもOK。
高品質なウール生地なのでシワにもなりにくく、日中暑くなれば、腰に巻いておいたり、肩からかけたりしても良いですね。

キレイめトラウザーズと合わせてドレス寄りに、タイドアップするのも素敵かと。
とはいえカチッしすぎずラフにも着れるため、デニムやチノ、軍パンなどと合わせてカジュアルに普段使いいただけます。

ダークブラウンカラーのボタンのチョイスや、あえてパッチポケットはバイアスにしてあるなど、細部に渡って貫かれた美意識。
全体的に大人っぽいトーンで落ち着いているので、柄物はちょっとという方でも違和感なくチャレンジしやすいはず。

生地が素晴らしいだけでなく、着こなしのアレンジも効きやすくて汎用性も高く、デザインも秀逸で上品。
総合的にレベルが高く、大人っぽさを格上げするのにピッタリな、オススメの一着です。