温かみのある優しげな表情ながらも明らかに上物な雰囲気ムンムンで、洒脱なニュアンス溢れるスペシャルニットがスロープスロウより入荷しました。

上質なラムウールとヤクを掛け合わせた肉感たっぷりのインターシャセーター。
ラムウールもヤクも柔らかさに特徴があるため、非常にソフトタッチでチクチク感も控えめ。

キックバック性もあり、モチっと肉厚な質感がたまらなく気持ち良いです。
保温性も高く、真冬も頼りになる暖かさ。

なんといってもポイントは、絶妙な3色で巧みに切り替えられた美しい配色。

前身頃はカーキブラウンとライトブルー、後身頃はオレンジブラウンという組み合わせ。
補色や同系色で、印象深くも馴染みの良いチョイス、さすがのセンスを見せつけてくれます。

撚り杢糸による印象派絵画の点描を思わせるような奥深いトーンも絶妙。
ネックや袖口、裾のブラウン単色リブによる引き締めも効果的です。

ヤクの糸といえば巷で見かけるのは大半がナチュラルカラーですが、あえて綺麗なブルーカラーのトップ糸を特注するというこだわりよう。
数十キロの糸を抱えることになるため、新進気鋭の小規模ブランドとしてはかなりリスキーではあるものの、その甲斐もあって惚れ惚れするような素晴らしい色合いに仕上がっています。

しかも単純に袖・身頃などのパーツ単位で色を変えるのではなく、前身頃と袖はインターシャにて色を切り替え。
インターシャニットは高級という認識をお持ちの方は多いかと思いますが、一般的に大きめの柄やイラスト・ロゴをはめ込んだインパクト強めなものというイメージではないでしょうか？

こちらはそういった使い方ではなく、あくまでハギや糸渡りの出ないフラットな縦ラインでの色切り替えにより、奥行きのある表情を狙っての採用。
見る角度によっては、ガーンジーセーターやクラシックなドレスシャツの2枚ハギの袖、リバースウィーブやテーラードジャケットのサイバラを彷彿とさせるようなニュアンスが垣間見えて面白いです。

しかも天竺編みを裏使いすることでインターシャの切り替え部分が少し曖昧になり、ブラウンメインの撚り杢部分との繋がりがより自然に。
袖付けは縫い代をあえて出したインサイドアウト風ですが、片側のみを出すことで縫い代幅も細く上品。

こういった細かな編集能力の高さが全体のクラス感に繋がっている感じです。
それもテクニカル偏重ではなく、あくまでイメージを具現化するための手段として用いられているため、これ見よがしに作りが凄いだろ？みたいな服とは一線を画しています。

中庸なフィット感でいたずらにオーバーサイズすぎず、それでいてコンパクトな感じもなく、ナチュラルなリラックスシルエット。
歳を重ねてもずっと寄り添ってくれそうな普遍性と丈夫さを兼ね備えています。

派手ではないものの、さりげなくインパクトがあって、主役級の存在感を放つ一着。

落ち着いているとはいえ、3色の切り替えにより賑やかですので、他はシンプルでOK。
肌着の上からシンプルに羽織って綺麗めスラックスを合わせるだけで、上品な大人スタイルの完成です。

なかなかのプライスですが、これほどの完成度であれば十分ご納得いただけるかと。
女性の方がオーバーサイズ気味に着用いただいてもカワイイですので、老若男女問わずぜひお試し下さい。