フランクリーダーを代表するジャーマンレザー生地を使用した、定番2つボタンジャケットのアレンジモデルが再リリースされました。

ジャーマンレザーとは、20世紀前半のドイツにおいて、高価な革製衣料を購入できない一般労働者たちが、その代替品として使用していたという極めて分厚いコットンモールスキン生地のこと。
100年も前から同じ工場で作られているというこの生地は、とても丈夫で目が詰まっており、レザーウェアと同じく防風性に優れています。
反面、新品の状態では異次元のハリと硬さがあり、レザー用ミシンでないと縫えないというのも納得のゴワっとした生地感。

そんな、決して着心地が良いとは言えないジャーマンレザーアイテムの人気の秘訣は、何と言ってもその経年変化にあります。
着込んでいくほどにシワやアタリが刻まれ、柔らかく、陰影のついた素晴らしい表情に。
世界にひとつだけの自分だけの一着に仕上げていく楽しみがあります。

こちらのジャケットは定番の2つボタンジャケットのシルエットの良さはそのままに、ラペルにタブを付け、襟を立ててフックを留めることでカバーオールのように着用することもできる2way仕様。
ラペルを寝かした状態でもレザー製のタブが見えることで、良いアクセントになってくれています。

また、左右のハンドポケットはミリタリー感のある、ダーツの入ったマチ付きフラップポケットを採用。
実用性もさることながら、腰回りにも存在感が出て、一般的なテーラードジャケットにはない独特な雰囲気を醸し出します。

生地の分厚さを巧みに生かした構築的なシルエットは健在のため、ワークでこなれた感じは控えめ、重厚で凛とした、どこか上品さも感じさせる佇まい。
とはいえ、モールスキンを裏使いすることで起毛感のあるマットな質感がカチっとした印象を和らげ、カジュアルに使いやすい仕上がりです。

フロントの2つのヴィンテージボタンもブラックで統一されていながら、大ぶりで存在感あり。
ボタンホールもレザーで補強されているなど、定番ジャケットよりもさらに凝った作りです。

デザイン的には程良くアレンジが効いていますが、ゴージも高くなく、ショート丈でもなく、トレンドとは無縁のジャーマンクラシックな雰囲気は健在。
新品の状態でも存在感抜群ですが、ひたすら着込んでアジが出てくれば、圧巻の迫力がでてきそうな育てがいのある一着です。