究極のハンドフレームカシミアニットとして、当店では大好評いただいているSANTI（サンティ）。
イタリアの錚々たるカシミアニットブランドの黎明期を支え、今もなお、ブルネロクチネリやロロピアーナ、プラダなどの製品も手掛ける、カシミア専業凄腕ニット工房のオリジナルブランドになります。



ベビーカシミアを筆頭とした最高級マテリアルを使用し、昔ながらのハンドフレーム機（電気を使用せず、手動で左右に動かすことで編み立てていく、職人の技術力が試される編み機）にて作り上げられるSANTIのニットウエア。
しかも当店で販売させていただくのは、通常モデルとは異なる、ロロピアーナの最高グレード糸を使った超度詰め仕様という、世界でも類を見ない究極クオリティバージョンです。



通常の度目のシンプルなハイゲージカシミアニットでも、ラグジュアリーメゾンブランドのものだと昨今は軽く10万円を超えてしまいますが、このSANTIの特注ニットはそれらを上回る雲上クオリティながら、残糸を使用することで糸代を抑え、かつ工房とダイレクトに取引することで中間コストをカット、その品質からは考えられない驚愕のプライスを実現しています。



まず、使用しているカシミア糸がスペシャル。
服地のキングたるロロピアーナの最高グレードのカシミア糸ですから、その品質もその発色もトップクオリティ。



そもそも、日本でロロピアーナのカシミア糸を使用したニットは、ラグジュアリーブランド以外ではほぼ皆無。
というのも、スーツなどに使用されるテキスタイルとは違い、ロロピアーナのニット用のカシミア糸は価格統制されていて全く値引きされないため、使いたくても高価すぎて使えないんです。



そして、ニッティングもスペシャル。
今では自動編機はもちろん、ハンドフレーム機でも不可能なレベルの、超度詰めで編み立てています。



相当腕の立つSANTI職人でもこの密度で編み立てようとすると糸が切れてしまって上手くいかないのですが、ニッティング前のロウ付けの工程を見直すことで実現可能に。
今では製造はおろか、現存しているものもほとんどないであろう、旧式の足踏みロウ付け機を復活させ、ゆっくりたっぷりロウを付けることで、この度目での編み立てを可能としました。



もちろん、自動機によるロウ付けの方が圧倒的に早く、度詰めのため編むのにも時間がかかりますし、糸量も増えるので糸代も増加するなど、あらゆる面でコストアップしてしまいますが、このニットにはそれを上回る価値があります。



しっかりと目が詰まっているため、とても丈夫で型崩れしにくく、着込むほどにカシミア特有の風合いが花開く、成長するカシミアニットは今となっては稀有な存在。
12ゲージ(フルファッション機換算だと18ゲージ)という王道のハイゲージニットですが、目を詰めて編み立てているため、糸量が増えてボリュームも増し、隙間も少なくなるため暖かい空気を逃しにくく、保温性にも優れています。
毛玉もできにくく、丈夫なので家でも気兼ねなくお洗濯できて、お手入れも簡単。



縮絨と呼ばれる、編み立てたあとの仕上げの洗い工程も極力最小限に抑えていますので、ファーストタッチはいかにもカシミアっぽいフワトロ感は控えめ。
しかし、着用と洗濯を繰り返すことで、徐々に柔らかさやとろみが出てきて、極上の質感に変化していきます。



糸の品質や糸量をごまかすために、甘撚りの糸で度甘でゆるく編み立てて、縮絨を強めにかけてふわふわトロトロに仕上げたようなものもありますが、そういうものは新品の状態は気持ち良さげながら、すぐに型崩れしてボロボロになり、毛玉がすごくて着れたモノではありません。



このニットはそういったものとは対極の、質実剛健な仕上がり。
最初は思ったよりも地味なタッチですが、10年、20年と年齢を重ねながら寄り添ってくれる、育て甲斐のある逸品です。



なお、シルエットはイタリアニットらしい、無駄のないスリムシルエット。
今風の抜け感のあるゆったりシルエットとは異なりますが、もたつきがないためジャケット等のインナーでも使いやすいですし、体型が大きく変わらない限り、流行に左右される事なくずっとお使いいただけるかと思います。



ややスクエア気味の襟ぐりのラインも美しく、極めてシンプルながらも明らかにクラス感漂う、上質な一枚。
杢感のあるナチュラルなヘザーベージュカラーですが、素朴というよりも洗練された印象を感じさせる、さすがのカラーリングです。