ウールとは思えないほどのタッチと着心地の良さで毎年人気を博している、定番のエイジングウールニットシリーズ。
今年はさらに小技の効いたデザインにリニューアルされ、再登場しました。

通常、刈り取られた羊毛はパンパンに袋詰めされ、カチカチの状態で紡績工場に運ばれてすぐに糸になるため、本来の膨らみなどが損なわれてしまいます。
このニットに使用されている羊毛原料は、糸にする前に湿度や温度管理された部屋に一定期間保管して熟成させることで、羊毛本来の特性を復元。

さらにこの原毛もハイマイクロンウールと強度の高いウールを黄金比でブレンドしたものというこだわりよう。
以前よりも膨らみとハリ感を向上させています。

これを梳毛引きし、珍しい太番手の糸に紡績してゆっくりと編み立てることで、滑らかでふんわりとした膨らみのある特別な質感を実現しています。
まるでコットンニットのような風合いに皆さん驚かれますね。

上品な光沢感と軽さも特筆モノ。
バトナーお得意の畦編みではなく平編みですのでよりシンプルではありますが、ラグランスリーブかつ身頃と袖のつなぎ目部分の目立て数を多めにすることで、切り替えが目立って良いアクセントに。

適度にゆとりがありながらも袖口や裾をリブで引き締めてあるので野暮ったい印象はなく、肉厚すぎないミドルゲージのため、ジャケット等のインナーとしても使いやすいかと思います。
ネックの高さも控えめなので、折り返さずにクシュクシュと溜めていただくのも良いですし、ネックのテンションも絶妙で締めつけ過ぎないので快適です。

そして今回から、袖口のリブが長いターンナップカフ仕様にリニューアル。
折り返していただくことでより伸び止めにもなりますし、袖丈の調整幅も広がります。

また、サムホールが開いているため、親指を通すことで大きく印象を変えられるというのもポイント。
ちなみに手の甲には毛細血管が集中しており、この部分を温めることで指先まで暖かくなるらしいので、デザインとしてではなく機能的でもあります。

整った目面の美しさも相変わらず素晴らしく、バトナーの中では比較的お手頃なプライスゾーンながらも妥協のない仕上がり。
こちらのグレーは、トップ染めならではの素晴らしい杢感と光沢感が相まって、高級感のある佇まいです。