全国でもごく限られた店舗のみで行われるこのイベント。
福岡県、というか九州では当店のみ(!)での開催です。
さらに初日の4/1(土)には、デザイナーの荒澤さんがわざわざ東京よりご来店!
デザイナー本人から直々にフィッティングしてもらえるまたとない機会です。
早速、肝心のリジッドデニムの詳細が気になるところだと思いますが、お察しの通り、今から半端なく長尺な説明が続きますので、イベント詳細やご予約条件などをご確認されたい方は、容赦なく一気にスワイプして読み飛ばして下さい。
・形は、最定番かつ一番人気のストレートジーンズモデル
・極希少な本藍ロープ染色の経糸 x スビンコットン緯糸による13.5オンスデニム生地
・29インチから35インチまでの7サイズ展開
ということで、毎シーズン展開しているメンズのインディゴストレートジーンズと基本的には同スペック。
これのリジッド、つまり整理加工を一切していない未洗いモデルというわけです。
いや、それってワンウォッシュモデルとかのいつものやつと大して変わんないじゃない?と思われたそこのアナタ、これが相当違うんですよ。
見た目、風合い、色落ち具合が。
そもそもデニムというのは、生地を織るときに引っかかって切れたりしないように糸にはあらかじめ糊付けされています。
通常はその後の整理加工工程においてこの糊を落とすんですが、リジッド生地は糊がついたままの状態のため、特有の強いハリや硬さの残る、パキッとした表情とシルエットに。
色も濃い上に毛羽立ちが少なくツルッとしているため、上品でクールな印象も。
比較的色が濃いめのワンウォッシュモデルと比べても、決定的に見え方に差が生まれます。
そして、メリハリのある色落ちを目指す、という点において優位性があるのもリジッドの特徴。
生地が硬くてシワをしっかり保型しやすいため、凹凸がパキッとキープされることで、山の部分に強く摩擦が起きて色が薄くなり、逆に谷の部分は色が濃いまま残るため、強いコントラストが生まれます。
でも、結局一回洗っちゃったらワンウォッシュモデルと同じじゃね?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
それも違うんですよ。
そもそもワンウォッシュモデルですら専門の加工場にて専用の洗剤を使用して糊を落としているわけで、家で一回洗ったものとはワケが違います。
ということで、何度も何度も繰り返し洗い込んだり履き込んだりしない限り糊は簡単には落ちませんので、リジッド特有の風合いというのは想像よりも長く続きます。
ファッションとして、そのクリーンでハリのある見た目と風合いに魅力を感じるという方の中には、その状態をキープするためにドライクリーニングで管理される方もいらっしゃいますし、逆に経年変化が醍醐味ということで、できるだけ洗濯を我慢して履き続ける方も多いかと。
各々の解釈次第で多面的な魅力を持っているのがリジッドジーンズの魅力と言えます。
(ちなみに今回のJournal記事に使用した画像はすべて私物のワンウォッシュモデルを撮影したものですので、リジッドモデルとは見た目や質感が大きく異なります。くれぐれもご注意下さい)
このSHIOTAがユニークなのは、縫製部門とは別にテキスタイル事業部があり、生地屋でもあるという点。
このため、自前でオリジナルの生地を製造し、それを自社で縫製して仕上げることで中間コストをカット、非常に高いコストパフォーマンスを実現できています。
このアドバンテージを活かし、この価格帯ではありえない、超贅沢で特殊な生地使いと優れた縫製技術をマッチングさせたのが、CIOTAのジーンズ。
モノの良さだけでなく、デザイナー荒澤さんの見事なディレクションセンスも加わり、数あるジーンズの中でも特異なクオリティと魅力を誇っています。
この魅力は今回のリジッドデニムでももちろん健在。
本藍染かつロープ染色の経(たて)糸 x スビンコットンの緯(よこ)糸の組み合わせで、シャトル織機にてゆっくりと織り上げられたオリジナルデニム生地は唯一無二です。
まず、本藍という点ですが、現在流通しているほとんどのデニム生地は化学染料である合成インディゴを使用して染められています。
対して、今回のストレートジーンズに使用されているのは天然藍。
本藍染めの一番の魅力としては、やはり深みのあるトーンということになるでしょうか。
ピュアインディゴとも呼ばれる合成インディゴに比べれば不純物の含有率が高いことから、複雑な色合いになるとも言われます。
色落ちしていっても青みがスッキリしているという意見もあれば、緑がかったような色落ちをするという意見もあります。
デニム生地が本藍染めだったのは20世紀初頭くらいまでという人もいれば、XXくらいまでと主張する人もいますので定かではありませんが、合成インディゴの爆発的普及を考えれば前者の説の方が有力かもしれません。
そうだとすれば博物館級の今やとんでもないプライスになっているヴィンテージデニムと同じような色落ちを楽しめるというロマンが詰まっているのが本藍染めデニムの魅力とも言えます。
しかもここで重要なのが、本藍染めなのにロープ染色という点。
これを説明するには、なぜジーンズが他の織物とは異なる独特の色落ちをするのか、というメカニズムを理解してもらう必要があります。
デニム生地は洗ったり履いたりを繰り返すと部分的に白っぽく色落ちしてきますよね?
これはたて糸が擦れて削れることで、糸の中の染まっていない白い部分が露出してくるからです。
これこそデニム特有の縦落ちと呼ばれる色落ちの魅力なんですが、一般的に本藍染めのデニム生地はこういう色の落ち方はしません。
なぜか?
それはロープ染色ではなく、枷(かせ)染めされているからです。
ロープ染色だと糸の中まで染まりきらないため、糸の表面が削れることで中の白い部分が露出してきますが、枷染めは糸の内部までしっかり染まりきっているため、いくら表面が削れても白色が出てくることはありません。
このため、一般的なロープ染色のデニムのような白とブルーのコントラストがつくような色落ちにはならないというワケです。
そんなに魅力的ならどうして本藍でロープ染色されたデニムが出回っていないのか?という疑問が出てきますが、その答えは単純明快。
非常に高価でリスキーだからです。
というのも、本藍染めは均一に染めにくい上になかなか濃く染まらないため、何度も何度も、途中で乾燥を挟みながら繰り返し染める必要があり、その分工賃が高くなります。
そしてこれが一番のネックなのですが、ロープ染色は製造ロットが膨大なんです。
換算すると最低でも1,000本以上のジーンズが作れるくらいの糸を1回で発注する必要があるため、そうそう手を出せるものではありません。
前述の通り、CIOTAは母体にテキスタイル部門がありますから、他の生地にこの本藍ロープ染色糸を使えることもあって、ブランド立ち上げ初期段階でもロット問題をクリアできていたんじゃないかと推測しますが。
ただでさえタテ糸が高価なのに、それに加えてヨコに超高級綿のスビンを打つという異常さ。
本藍ロープ染色という、ヴィンテージデニムマニア垂涎のポイントを押さえつつ、レプリカブランドのような当時の完全再現といったマターをスルリとかわして、履き心地の良さやシルエットに重きを置く、柔軟でモダンなスタイルにシビれます。
それでよくこの価格をキープできてるなと思うのですが、これこそファクトリーブランドの成せる技ですよね。
ただでさえスビンコットンは繊維が細くて長いので、デニム用に太番手に引くことすら相当大変だと思いますが。
ここでスビンコットンについてもおさらいですが、簡単にいうと繊維が長くて細い超高級な綿です。
スビンコットンとは…
インド原産のスジャータ綿とシーアイランドコットンを交配させた超長繊細綿。
超長綿といえばエジプトのギザコットンやアメリカのスーピマコットン、中国の新疆綿などが有名どころですが、スビンコットンはインド南部の限られた地域でのみ栽培されており、手積みで丁寧に収穫されているのも特徴のひとつ。
シーアイランドコットンに次ぐ、最も長い綿繊維で、ギザやスーピマを超える細さも持ち合わせています。
毛羽の少ない滑らかな糸を作ることができ、油分も多くてツヤがあり、強度が高いのも特徴。
収穫量は極めて少なく、高額で取引されている貴重なコットンです。
なぜそんな高級綿を使うのか?という話ですが、もうそれはCIOTAの各製品が雄弁に物語っていますのでお分かりの方も多いかと。
類い稀なしなやかさ、軽さ、肌触り、艶やかで高級感ある面構えなど、すべての製品にこれを使うというポリシーを持つに値するだけの確かな価値が見た目からも着心地からもビジバシ感じられます。
リーバイスのいわゆる66前期をベースとしながらも、足の付け根あたりに生じやすいシワ(私は勝手にこれを”おしめ”と呼んでいます)を無くすために股上を削るなど微調整をしてアップデート。
くびれのあるウエストラインからヒップや渡りにかけてゆとりを持たせ、ゆるやかにテーパードがかかった、太くもなく細すぎないシルエットが絶妙。
「シルエットが想像以上に良いですね」という声を多数頂戴しているという事実が、このジーンズの形の良さを物語っていますね。
しかもビックリするほど柔らかい。
ワンウォッシュモデルの段階で、他のデニムブランドのハードウォッシュモデルに迫るほどの柔らかさがあって驚かされます。
でもそんなに柔らかいんだったら、なつかしのテンセルジーンズや軟弱なストレッチジーンズみたいに生地がペラペラで頼りない感じじゃないの?と不安に思われたかもしれませんがご心配なく。
13.5オンスのしっかりとした重みと厚みがあり、タフで頼もしい質感です。
力織機ならではの凹凸のあるヴィンテージ顔負けの堂々とした風合いと面構えなのに、デニムを超越した快適な履き心地、って最高じゃないですか?
ヴィンテージ系ジーンズの雰囲気や経年変化は好きだけど、硬くてゴワゴワするから履きにくい、と敬遠されていた方にはまさに救世主かと思います。
まぁ、今回のリジッドデニムモデルに限って言えば、糊付けされていてカッチカチなので、この柔らかさや滑らかさは鳴りを潜めていますが、洗って履き込んでを繰り返して糊が落ちてくると、違いは如実に現れてくるはずです。
ただ、長年ジーンズなどのカジュアルボトムスの製造に携わり、独自の研鑽を積むことで他にはない高度なノウハウを保有しているというSHIOTAで縫うことで、生地や型紙の良さが活きるCIOTAらしい面構えに。
たとえ同じ仕様書で発注したとしても、縫う工場が違うだけで表情が全く違うというのはよく聞く話です。
自社生地&縫製だと時間的にも資金的にも納得いくまでトライ&エラーがやりやすく、よりクオリティをブラッシュアップしやすい環境というのも強みかと。
こういう点はBATONERあたりとも共通するところがありますね。
まぁ、普通のブランドでこれほどまでに生地・型紙・縫製を妥協することなく作り込もうとすれば、あまりにも販売価格が高くなりすぎてしまうため、踏み込みたくても踏み込めない領域なんだと思いますが。
アメリカものを中心とした古今東西の名作と言われるワーク・ミリタリーウェアをオマージュしつつ、それらの欠点である肌触りの悪さや重さ、コンディションやフィッティングを、尋常ではない生地使いと細かな配慮により極上の着心地にアップデートさせ、CIOTAを一躍人気ブランドに成長させたその人です。
インスタ上では毒舌が冴え渡っていたこともあっていかつい人かと思いきや、実際にお会いすると物腰柔らかな優しいお方。
そんな優しいカリスマに直接接客していただけるというのは、本当に貴重な機会だと思います。
緊張せず、お気軽にお越し下さい。
【開催期間】
4月1日(土)から4月3日(月)までの3日間
(デザイナーによるフィッティングは4月1日のみ)
【開催時間】
3日間ともに12:00-19:00
【販売モデル】
リジッド本藍染めストレートジーンズ(メンズ)
【販売サイズ】
29インチから35インチまでの計7サイズ
【価格】
税込28,600円
【販売方法】
現物販売ではなく受注販売
(全サイズのサンプルをご用意していますので、ご自由にご試着いただいた上でご希望サイズをご予約いただき、後日お渡しという流れになります)
(当日、その場でお持ち帰りいただくことはできません)
【販売数量】
制限なし
(お一人様で複数本ご購入いただくことも可能です)
【お支払い】
ご予約時に前金として半額、お受け取り時に残額をご清算いただきます
(前金は万が一キャンセルされる場合でもご返金できかねますのでご注意下さい)
【お支払い方法】
現金、クレジットカード決済、PayPay、QUICPay、ID、楽天ペイ、Paycha
(クレジットカードは分割払いやボーナス払いにも対応しています)
【納期】
9月から10月あたりを予定(あくまで予定のため、多少遅れる可能性があります)
【お受け取り方法】
店頭受け取りだけでなく、配送も可能(送料無料)
ということで今回は現物の販売ではなく、サンプルをご試着いただき、デザイナーや我々スタッフのアドバイスのもと適正サイズを決定、ご予約&前金を頂戴したのち、生産開始、お渡しは9-10月予定という流れになります。
このため、初日の早い時間に来ないと売り切れる、といったことはありませんのでご安心下さい。
ただし、土日である初日と2日目については、時間帯によってかなりの混雑が予想されます。
通常よりも試着室の数を増やして対応させていただきますが、リジッドデニムのサンプルは各サイズ1点づつしかないため、ご来店状況によってはかなりの時間お待ちいただく可能性があります。
ということで、お待ちいただくことなく優先的に接客をお受けいただけるよう、4月1日(土)と4月2日(日)に限り、フィッティングタイム予約枠をご用意いたしました。
下記専用ページよりご希望のご来店時間にてご予約下さい。
https://dresswell.jp/onlineshop/item/173718800
なお、ご予約いただかなくてもご覧いただくことは可能ですが、あくまでフィッティングはご予約者様が優先となりますので、事前にお手続きいただくことを強くオススメいたします。
アラフォー看板娘も皆さまのご来店をお待ちしていますよ〜