ウェアの種類を選ぶ
まず、ウェアはハードシェルとソフトシェルの2種類に大別されますので、自分の用途・好みに合った方を選びましょう。
ハードシェルとは…
ゴアテックスなどの完全防水透湿素材を用いたウェア。
雪山や豪雨などのハードな環境下においても、水の侵入を防ぎ、衣服内の湿気は外に逃がすため蒸れにくい。
防風性や耐久性も求められるため、基本的に素材はハリがあり、硬め。
一般的にアウトドアウェアとして連想されるもの。
ソフトシェルとは…
ハードシェルほどの防水性は無いものの、透湿性や伸縮性に特化することで着心地や快適さを高めたウェア。
撥水性のあるものが多く、多少の雨は防いでくれる。
ハードシェルとは段違いに蒸れにくく、生地に伸びがあるので着心地が良い。基本的に素材は柔らかめ。
乱暴に例えると「高性能なジャージ」。
ポイントは…
1. 着丈は BETA(ベータ) < ALPHA(アルファ) < THETA(シータ) の順で長くなります。
2. 生地は SL < LT < AR < SV の順で厚く、丈夫になります。
3. 街着メインでしたら、細かなスペックは気にせず、デザインや色で選ぶのもアリです。
BETA(ベータ) … お尻が半分隠れる程度の着丈
ALPHA(アルファ) … お尻がちょうど隠れる程度の着丈
THETA(シータ) … お尻がしっかり隠れる程度の着丈
※アークテリクスのジャケットは基本的に前丈より後丈の方が長いデザインです
例えば、バイクや自転車に乗られる方でしたら、座った際に裾が邪魔にならないベータが良いかもしれませんし、
逆にスーツの上から着用される場合は、シータ程度の着丈が無ければバランスが悪いはずです。
ただし、3モデル共に裾が絞れますので、ある程度は着丈の調節が可能です。
4モデル共に、GORE-TEX(ゴアテックス)を採用していますが、ゴアテックスにも種類があります。
SLモデル …………… ゴアテックスパックライトシェル
LT・AR・SVモデル … ゴアテックスプロシェル
SLモデルは基本的にパックライトシェルを採用しています。
ゴアテックス素材を1枚の生地に張り合わせた2レイヤーと呼ばれる構造にすることにより、薄くて軽く、しなやかです。
コンパクトに収納できる携帯性を重視した素材と言えます。
対して、LT・AR・SVモデルの採用されているプロシェルは最高レベルの防水・透湿・防風・耐久性を備えたプロユースな素材です。
3モデル共に、ゴアテックス素材を2枚の生地で挟み込んだ3レイヤーと呼ばれる構造です。
ただし、一口にプロシェルと言ってもモデルによって厚みに違いがあり、320デニールのアルファLTジャケットに比べ、
アルファSVジャケットは480デニールと1.5倍の厚みがあります。
厚みがあるほど丈夫で耐久性がありますが、その分しなやかさに欠けるため着心地は硬めになります。
また、基本的にハードシェルウェアそのものには保温性が無いため(中綿入りのモデルなどを除く)、
厚みが増したからといって劇的に温かくなるわけではありませんのでご注意下さい。
「街着としてなら、ARモデルやSVモデルほどの機能性は必要無いのでは?」といった意見がありますが、
機能的であるに越したことはないですから、デザインや色だけで選ぶのもアリだと思います。
ただし、街着以外の用途でも使えるようなモデル選びをした方がお得です。
例えばゴルフをされる方なら、しなやかで軽く、丈の短いベータSLが良いかもしれませんし、
釣りをされる方なら丈が長めで丈夫なシータARが良いかもしれません。
ポイントは…
ソフトシェルは基本的に、表生地に撥水加工や防風加工が施されたアウター仕様のものが大半ですが、
インナーとして使えるものも多くあります。
インナーとして併用する場合は、フード無しのモデルの方が重ね着がしやすいかもしれません。
また、ゆとりがありすぎるサイズを選ぶと、アウターの下でごわつく可能性がありますから、
適度にフィットしたサイズ選びもポイントです。
ソフトシェルはモデルによって保温性が大きく異なりますので、使用する環境に合ったモデル選びが必要になります。
例えばガンマシリーズの場合、LTモデルはドライな肌触りの裏地で保温性の無いタイプですので、
運動量が多く、比較的温暖な環境下に適しています。
逆にMXモデルはキメの細かいフリースの裏地を備えた厚手で保温性に優れたタイプです。
こちらは雪山の登頂など、寒冷地でも運動量が多く、高い透湿性が求められる環境下に適しています。
ただし、中綿入りのアトムシリーズの場合はLTモデルでも高い保温性を誇ります。
街着として選ぶ際も、肌にふれる裏地の素材がポイントになります。
裏地がドライで保温性が無いタイプはオールシーズン使えるものの、冬期に単体では寒いですし、
逆に、裏地がフリース地で厚みのあるタイプは、温かみもあって肌触りは良いものの、暖かい季節には着にくいです。
裏起毛のスウェットをイメージしていただくとわかりやすいかと思います。