クラシカルなアウトドアシェルの大定番として販売から半世紀を経過した、SIERRA DESIGNS（シェラデザイン)のマウンテンパーカー。

表地の60/40クロスは、横糸に綿60%、縦糸にナイロン40%を配した通称ロクヨンと呼ばれるもの。
横糸の綿が水を吸って膨張すると糸の間の目が詰まって水を通しにくくなるという画期的なもので、ナイロン特有の撥水性能も合わさり、ゴアテックスなどもない当時としては発明とも言える機能素材でした。

この60:40配合は独特の光沢と風合いを醸し出していますが、これこそがSIERRA DESIGNSの一つのテーマでもある「クラフト（手作り）感覚」を確保するのに非常に重要なポイント。
使えば使うほど味が出ると言われているこの風合いは、SIERRA DESIGNSの60/40クロスが登場から半世紀たった今でも信奉される一番の理由と言えます。

また、ロクヨンクロスを語るうえで欠かせないのが透湿性。
コットン特有の通気性を有しているので、発汗による湿気やムレを防ぎ快適な着心地を実現しています。
つまり、雨を防ぎ、湿気は排出するといった、ゴアテックス的な機能性を6割の天然繊維を含みながらも実現した画期的な生地なんです。

100%ナイロン糸が一方向（縦）に使われているので引き裂き強度、摩擦強度、対引っかけ傷に優れています。
また、綿を使用しているので化学繊維よりも耐火性に優れているのも特徴です。

フロントだけで4つあるポケットは全てフラップ付きで耐候性が高く、ハンドポケット部分はサイドスリットも入っているので、わざわざフラップを開ける必要はありません。
後身の腰部分にもハンティングジャケットで言うところのゲームポケット的な大容量ポケットが付属。
バッグ入らずの収納力があります。

ウエスト内側にはドローコードが付属しているため、絞れば風の巻き上がりによる体温低下を防げますし、ファッション的にはウエストシェイプを効かせることでシルエットに変化を持たせることが可能です。

そして通称ブタ鼻とも呼ばれる、フードドローコードに付属したレザー製のストッパーもアイコニック。
この部分の経年変化も楽しみです。

裏地については、ウエストから下部分はナイロン100%生地で切り替わっているものの、それ以外の袖裏に至るまで無双仕立てでロクヨンクロスが2重になっているため、表地で食い止められなかった雨風は裏地で防ぐといった鉄壁の作りになっています。

一般的なアウトドアウエアのハードシェルと同じく、単体で保温性が高いものではなく、レイヤリング(重ね着)で確保するスタイル。
つまり、比較的暖かい季節はもちろん、真冬もインナー次第で着用可能なため、ロングシーズン活躍します。

春や秋はTシャツや薄手のシャツの上から、冬は分厚いセーターやスウェットの上から羽織れば暖かい空気を逃しにくいです。
あえてスーツや紺ブレの上から羽織るのも素敵ですね。

そんなマウンテンパーカーの永世定番をCIOTAのアイデンティティであるスビンコットンでブラッシュアップさせたのがこちらのモデル。
もちろんコットン60ナイロン40という黄金比率に変わりはありません。

コットン部分を超高級超長綿のスビンコットンにすることで、更に滑らかかつしなやかに。
もともとのオリジナルも決して重いものではありませんが、スビンになることでより軽さも出た印象です。

完成された傑作をさらに格上げさせたスペシャルモデル。
もちろんMade in USA。

今やオリジナルも税込66,000円しますから、このスペシャル生地での別注でこの価格は良心的かと。

ちなみに、生地以外はシェラデザインオリジナルのマウンテンパーカーと同じです。
サイズ感やシルエット、仕様は共通になります。