【こちらは2024年4月末から5月中旬あたりに入荷予定の商品です。入荷次第発送させていただきますので、その点ご注意下さい】


履き心地、ルックス、作り込みのすべてを圧倒的な高次元で兼ね備えた、PEZZETTINOのサンダル。
レギュラーサンダル、グルカサンダルに続き、トイレタリーサンダルモデルが登場しました。

トイレタリー、いわゆる便所スリッパ型のサンダルとなると、スポーツブランドであろうがハイブランドであろうが、どこが作ってもイマイチ垢抜けにくい鬼門の形。
それをこれだけ美しいものに昇華できる、この職人の技術力とデザインセンスたるや。
さすが世界的ラグジュアリーメゾンブランドからデザイナーになってくれとオファーされるだけのことはあります。

彼の手掛けるオーダーシューズはイタリア現地価格でも50万円以上と恐ろしく高額なのですが、このサンダルについては本業のスキマ時間を利用していることや本来非常に高額な革を特殊事情で安価で入手できていること、代理店などの中間コストを極力排除していること等により、通常ではありえない価格を実現。
これほどまでのレベルのサンダルはラグジュアリーメゾンでもそうそう見かけませんし、それでいてハイブランドのような非現実的な価格でもなく、リペアをすれば何十年と履いていただけることを考えるとむしろ破格かと。

もちろん、イタリア最高峰と名高い著名な誂え靴職人である彼が作り上げる一足なだけに、見た目だけの代物ではありません。
アッパー部分の形状や角度などは、サンダルにおける最適な比率を元に計算し尽くされており、木型は複雑にねじれた人間の足にフィットするよう、ビスポークシューズ由来のツイステッドラストを採用。
ただ単純に甲を覆っただけのものとは根本的に異なる追従性を発揮します。

他のサンダルにはない、ハンドソーンシューズのような構造ながらもウェルトも縫い合わせもない特殊な3層構造がこのサンダルシリーズの特徴ですが、このトイレタリーモデルは他の2モデルに比べてアッパーとソールの接する面が長いということで、なんとサンダルにも関わらずハンドソーンウェルト製法の靴のようにアッパーと中底をハンドで一針一針すくい縫いしているというこだわりよう。
サンダルに求められる柔軟性を損なうことなく、足に見事にフィットする複雑なアッパー形状を実現しています。

履き口周りと指の出口周りには短冊状の革紐をこちらも丁寧にハンドでかがり縫い。
見事な抑揚ある姿に。

しかもこちらの縫い、指側は裏まで貫通したかがり縫いになっているものの、履き口側は肌当たりを考慮して飾り縫いに留めてあるなど細かい配慮が。
また履き口の足に当たる部分は非常に滑らかなタッチになる構造となっているため、コバステッチの凹凸が当たる感じもなく、ピタッとフィットしながらも不快感がありません。

さらに、左足にのみ斜めに走るスラッシュステッチが入っており、異様な存在感が。
こちらのステッチはエドワードグリーンのドーバーなどでお馴染み、革の内部を手縫いする手法「スキンステッチ」を裏使いしたという斬新かつテクニカルなもの。

サンダルにスキンステッチを入れること自体が激レアですが、あえてそれを裏使いするという斬新な発想に驚かされると共に、それをあえて片足のみにアシンメトリーに配置するといったバランス感覚にも脱帽です。

なお、アッパーに使用されているのは、今や幻となった旧イルチア製ヴェネチアンレザー。
パティーヌを世界に知らしめたフランスの某高級メゾンの専売特許だった革になります。

非常に美しく染め替えのできる特殊な革ということで、パティーヌの美しさ、透明度は他の2モデルを圧倒。
いかにもムラ染めです、といった感じのあざとさのない自然で上品な仕上がりです。

そしてソールに使用されているのは、かつてイタリアを代表する某ラグジュアリーメゾンが独占使用していたという、特殊レシピを用いたベジタブルタンニンなめし100%のヌメ革。
素足で履くレザーサンダルに最も求められるのは、吸水性と柔軟性、耐久性やエイジングですが、この革はそれらを最高レベルで実現しています。

これを、ダークで奥行きのあるブラウンカラーに職人自らがパティーヌ。
一度脱色してから、筆などを使わずに手で染料を入れ込むことで、繊細で奥行きのある表情に。

これにより、巷にあふれる安っぽいパティーヌ製品とは一線を画す、マットで自然な仕上がりも特徴です。
さらに染料が奥まで浸透しているため、色落ちはするもののペンキのようにバリっと剥離するようなことはなく、自然なグラデーションを楽しめます。

また、このインソール、どんな高級サンダルであろうとおよそ見かけない、特殊な構造も特徴の一つ。
見た目からは分かりませんが、グッドイヤーウェルト製法の革靴などと同じように中底の下にはコルクが敷き詰められています。
これにより、履いていくことで中底とコルクが沈み込み、自分だけの足型を形成、唯一無二のフィット感を生み出します。

アウトソールは曲線的な意匠が印象的なハーフラバー仕様ですが、もちろんこれも見た目だけを意識したものではありません。
ヒールの内側部分が縦に伸びるような形になっていますが、こちらはトーマスヒールと呼ばれる矯正靴に用いられる仕様。
これは重心を中心に補正する効果があります。

履き始めは補正効果により、意図せず内側に力が入るような歩き方になるかもしれませんが、インソールの沈み込みが進行することと相まって、徐々に自然に正しい歩行が行えるよう導いてくれます。
さらに、ハーフラバーの交換だけでソールの補修が可能なため、修理代も安価で、オールソールによるコルクの詰め直しなども必要なく、自分だけの形に変化したインソールをキープしながら、末長くお使いいただけます。

部材の選定や考え抜かれた構造により、見た目よりも硬さがなく、履き始めからしなやかで思いのほか軽い履き心地。
コルクが敷き詰められていることやそもそもの革の柔軟性も相まって、わずかにクッショニングを感じる柔らかな肌当たりです。

地面からのダイレクトな突き上げを感じにくく、アッパーの追従性の高さも伴って、長時間履いても疲れにくいのも特徴。
ストラップ状のアッパー構造のレギュラーサンダルやグルカサンダルに比べればやや硬めではありますが、履き込むほどに柔軟性は増してきますのでご心配なく。

ソールは肉厚なフルベジタブルタンニングレザー、アッパーもクロムとベジタンのコンビなめしということで、どちらの革もエイジングをお楽しみいただけます。
使い込まれることで艶が増し、風格が出てきますので、遠慮なくガンガン履き込んで下さい。

色止めするために表面をコーティングしたりしていないため、履き始めを中心に足裏に色が移る可能性がありますが、次第に落ち着いてきますので、その点はご安心を。
必要に応じてクリームなどでケアいただいても良いですが、特にソール部分は布で乾拭きするだけでも思いのほか光沢が出てくるので、お手入れするのも楽しいです。

足の小さな女性サイズから足の大きな男性サイズまで幅広く取り揃えました。
サッと足入れできる気軽さがありながら、これほどまでに履き心地を考慮しつつ、主役級の存在感を醸し出してくれる一足は他では見つけられません。

男女年齢問わず非常にオススメです。

オリジナルの布製シューバッグが付属。
シューバッグのカラーリングはアソートです。

Made in Italy。

※ ナチュラルな風合いを保つため、染料にて染色しています。
このため、履き始めを中心に足裏に色移りする場合があります。
（汗をかきやすい方ほど色移りしやすいです）
履く回数を重ねるごとに色落ちは落ち着いてきますが、あらかじめご理解の程よろしくお願いいたします。