サンリミットの数あるシャツの中でも屈指の人気を誇る、3本針シリーズ。
ブロード生地の定番モデルは、毎回補充が入ってもすぐにサイズ欠けするほどの人気っぷりです。

生地や襟型を変えたシーズンモデルもちらほらリリースされているこちらのシリーズ。
その中でも今回入荷した新作コーデュロイモデルは、近年稀に見るほどの完成度の高さで、使い勝手も抜群、もう言うことなしの仕上がりになっています。

生地とデザイン／縫製仕様のマッチングがとにかく素晴らしく、一見シンプルかつ上品で使いやすそうなのに、3本針特有の歪みのある輪郭がアクセントになり、静かに凄みを感じさせる一着に。
やたら上質な生地とドレスシャツ顔負けの仕立てに、あえてワークなハードステッチを忍ばせるという、硬軟のバランスが絶妙です。

まずはこのコーデュロイ生地が肝。

21ウェルという極細の畝のため、コーデュロイにありがちなほっこり感や野暮ったい感じは鳴りを潜め、ベロアを思わせるような印象も。
とはいえ、製品洗いがかかっていることもあってベロア系のような安っぽい光沢感はなく、こなれた質感で悪目立ちするような感じもありません。

凹凸感による表情もありながら、コーデュロイ生地としては比較的薄手で、普通にシャツとして着こなしやすい厚み。
安物のコーデュロイ生地の中には太畝でもペラペラのものが多いですが、こちらは薄手とはいえコシのあるしっかりした頼もしい生地感です。

コーデュロイ特有の光沢と表情は、たとえ同色だったとしても質感で大きく差異を生み出してくれて、コーディネートの中で独特の存在感と季節感を醸し出してくれる優れもの。
シャツということで重ね着がしやすく、Vゾーンの構築にも活躍するため、春秋冬の3シーズン、コーディネートに新鮮さを加えてくれます。

そしてステッチの迫力たるや。
バックヨークや脇、アームホールや袖のはぎ部分に至るまで、3本針の極太チェーンステッチが縦横無尽に走り、迫力満点です。

パッカリングにより、ステッチ周りはギャザーが入ったような無数の歪みが生まれ、歪なアウトラインが只者ではない雰囲気を演出。
ステッチがデザインとして機能するという稀有な一着です。

ただ、デザイナーの出身であるコムデギャルソンシャツを彷彿とさせる個性と力強さがありながら、普通に着られる汎用性も兼ね備えているというのがポイント。
十分にリアルクローズとして通用しながら、他にはない違いを生み出す手腕は見事というほかありません。

強いパッカリングが陰影のある素晴らしい立体感を生み出していますが、着用時にはチェーンステッチ部分が伸縮するため、着心地も独特。
高さの出ないペタッとしたワイドカラーも面白く、襟を立てて着用いただくのもオススメです。

落ち感のあるボクシーなリラックスフィッティングですので、一枚で今風のムードを醸し出せますし、ゆとりがあるため、インナーにタートルネックやハイネック、サイズアップしてスウェットパーカを挟んだりと、いつもと違ったレイヤードをお楽しみいただくことも可能です。

ガンガン洗ってフェードさせ、パッカリングも強まってくるとさらに迫力が出て存在感が増してくるかと。
できるだけ色落ちさせたくないという方は、ドライクリーニングか中性洗剤での手洗いをオススメします。

ブレザーやトラウザーズなどドレスなアイテムと合わせてドレスダウンに使うのもいいですし、色の抜けたインディゴデニムやヤレた軍パンのカジュアルアップに使うのもオススメ。
ドレッシーすぎず、カジュアルすぎない絶妙な立ち位置のため、あらゆるコーディネートに組み込める汎用性があります。

もちろん、春や秋は一枚でシンプルに着用するだけでも違いが出せますし、袖捲りしたり、タックインしたりしてニュアンスを付けてあげてもいいですね。
ウォーム感がありながらも畝が細かいので春も着やすく、春秋冬の3シーズンガンガンお使いいただけます。

日本のブランドということもあって、日本人にぴったりのサイズバランスに仕立てられているのも嬉しいポイント。
タックインもタックアウトもOKな着丈というのも便利で使いやすいですね。

ちなみに、3本針縫製は強くパッカリングが出るため、洗濯を繰り返していくと着丈袖丈はやや短くなります。
このため、新品の状態で袖丈着丈がピッタリジャストであればサイズアップをオススメするところです。
多少ゆるめに着用しても良い雰囲気ですので、通常よりワンサイズ上をお選びいただくのが良いかもしれません。

部位によってステッチの表裏を逆にしていたりと、細部に渡ってこだわりが垣間見れる、完成度の高い一枚。
無地のシャツでこれほどまでに存在感のある一着はなかなか見つけられません。

こちらはモード感も漂わせる、強さのあるブラックカラーになります。