毎シーズンの細かなアップデートを経て、完成度を高め続けているチルトのシグネチャーとも言えるシャツ。
今シーズンは特に生地感とカラーリングのマッチングが素晴らしい仕上がりです。

今どきのオーバーサイズに寄りすぎることなく、かといって決してタイトすぎず、一枚でもインナーでも使いやすい絶妙なバランスに仕上げた一着。
生地や縫製に恐ろしいほどのこだわりを見せるチルトらしく、見た目はシンプルながら、こちらのシャツも緻密に作り込まれています。

生地は薄手でハリがありながらもカドの取れた柔らかさも感じさせる、コットンタイプライタークロス。
高密度なタイプライタークロスはえてしてパリッと紙のような硬質な質感になりがちですが、旧式のシャトル織機で空気を含ませながらゆっくりと密度を詰めて織り上げた上、糊を抜いてあるため、滑らかで優しい肌あたりに。
高品質原料＆遠州産というのも、この風合いに大きく寄与しています。

いつも以上にミニマルな仕立てもストイックでモダンな印象。
バックヨークがなく、後身頃は完全に一枚仕立てでスッキリ。
前身もできる限りステッチの露出を避け、チェストポケットもあえて中縫いにしているというこだわりようです。

相変わらず縫製も緻密で美しいのも特徴。
国内高級プレタポルテも手掛けていた工房にて丁寧に縫われており、惚れ惚れする仕上がりです。

年齢性別問わず、多くの方にフィットすることをテーマに製作された力作。
生地は決して分厚くなく、ブロードシャツと同じような感覚で着用いただけますので、袖捲りすれば夏もOK。
もちろん、秋や冬など肌寒くなってくればインナーとして、一年中活躍します。

カラーもオリジナルで染め上げた2色展開。
ダークラベンダーは、くすんでいるため抜けが強すぎず、思いのほか馴染みが良くて着こなしやすいカラーリング。
ブラックやネイビーの差し色としても使えますし、一枚で着ても派手になることがないため、色をコーディネートに取り入れたいという方でもチャレンジしやすいと思います。