Dresswell

New Brand / Calmanthology

Journal / Calmanthology, Items

国内既成靴の最高峰を目指しながらも、ロブやグリーンの模倣ではなく、かといって踏まずを極端に絞り込んだ擬似ビスポーク系でもなく、ひっそりと静かに凄みを感じさせる美しい製品の数々。
偉大な過去を参照しながらも、独自の美学を極限まで追求した孤高のシューメーカー。

新ブランド、CALMANTHOLOGY(カルマンソロジー)をご紹介します。

ブラック一色のみで展開される極めてストイックなコレクションはすべてMade in Japan。

ルックスに関して下手な言葉は必要ありません。
ただただ美しい。
ウエストを絞り込んだグラマラスな高級靴とは異なるベクトルの美意識に貫かれています。
決して華美なものではないのに、一瞬で心を鷲掴みにされる魅力がそこにはあります。

もちろん見た目だけではありません。

チャールズ皇太子の木型も作っていたイギリスの木型職人 モビスミラー氏のアーカイブをはじめとした1900年代初頭から1960年代までの木型技術を細部に渡って研究し、6年にも渡って試行錯誤した結果たどり着いたというS字を描く捻れた木型は、立つ動作と歩く動作の現代理想型を追求したもの。
また、製造過程においても通常の量産靴ではありえない、製造現場が悲鳴を上げるほどの高難度で手間のかかる工程が随所に盛り込まれており、一切の妥協はありません。

メゾンブランドにおいても利潤を最大化させるために木型や工程を単純化したり、部材を可能な限り共用したりするのが常態化している昨今、その真逆を行く非効率なこだわりがこの圧倒的なクオリティを実現しているという訳です。
一日2足しか作れないというのにも納得ですね。

はじめに私はデザイナー金子さんの引く、禁欲的な線の美しさに目を奪われました。
しかもそれは単なるデザインを超えた必然性を帯びていて、全てのディテールは意味ある形で存在していることを知りました。

その美意識の高さとクラフトマンシップに痺れましたね。
他とは理想として追求しているレベルやベクトルが違うというか、とにかくスコーンと垢抜けている印象。

制約が多く、あらゆる様式が出尽くした感のある紳士靴の世界において、単なる焼き直しでも模倣でもなく、ましてやディテール至上主義でもない、それでいてこれほどの独自性とオーラを感じさせるものを作り上げるというのは並大抵のことではありません。
しかもそれを日本の職人がすべて手掛けているという事実も誇らしい。

当店にてお取り扱いできることを大変光栄に思います。

なお、生産キャパやブランドイメージの問題から、全国でも取り扱い店舗はごく少数。
これまでは大手セレクトショップの旗艦店クラスでの取り扱いが中心でしたが、2020年春夏シーズンより地方の限られた個人店でも取り扱いが可能となりました。

いつかは取り扱いたいと以前から思っていただけに、お声掛けいただいた時は嬉しかったですね。
しかも蓋を開けてみれば、個人店での取り扱いは東京のAmanojak.さんと当店の2店舗のみ。
靴へのこだわりと同様、取り扱い店舗も相当こだわって厳選されているようです。

ということで、地方の個人店では今のところ当店のみの取り扱いということになります。
そもそも大阪・神戸を除けば西日本では初の展開。

名前は知ってるけど実物は見たことがないという方も多いんじゃないでしょうか?
ぜひ一度手にとって、その実力をご確認下さい。

そして、ここからは当店の取り扱いラインナップをご紹介。
カルマンソロジーは大まかに「ドレスライン」と「カジュアルライン」の2ライン構成になっているのですが、最初ということで普段使いしやすいカジュアルラインのモデルを中心に買い付けました。

ロングウィングチップ

プレーントゥダービー

ダブルモンク

オペラローファーの計4モデル。

あ、ちなみにこのポーリッシュブーツも一足だけあります。
が、これは私が個人的に履くためにオーダーしたものでして…
春夏シーズンで履くには少々暑苦しいかなと思いましてね…販売分を仕入れる勇気がありませんでした…ごめんなさい…

それではモデルごとにご紹介を。
ちなみに詳細についてはオンラインショップの商品ページ内にも記載していますので、そちらもご参考下さい。

まずはドレスラインより、オリジナリティ溢れるオペラローファー。

その名の通り、オペラパンプスとローファーを融合させた意欲作。
こういったオリジナルデザインのものは模倣しようがないので、作り手のセンスがモロに現れるものだと思いますが、流石ですね。
ずっと昔から存在していたかのような普遍性すら感じさせます。

アッパーにはフランス デュプイ社のサドルカーフを採用。
クロムとタンニンのコンビネーション鞣しにより、銀面は適度な硬さがありつつも下肢部分に柔軟性を備えた革で、履きシワが美しく出るからというのが主な選択理由だそうです。

ちなみに店頭ではよくお話してますが、エルメス傘下のデュプイの革=すべて品質が良いと判断するのは大きな間違い。
デュプイの中でも革質にランクがありますから、廉価な商品でデュプイの使用を謳っているものはB品レベルの革を使用しているケースさえあるそうです。

結局大事なのはブランド名や商品名ではなく、その製品の目的や用途に最も適したものを選択するという確かな目。
まぁ、これは革靴に限らずすべてのことに言えることではありますが。
そういう意味ではこのカルマンソロジー、モデルによって大きく革の種類を使い分けており、有名無名にかかわらず適材適所が徹底されています。

そしてカルマンソロジーを語る上でよく出てくるのがステッチのピッチの細かさ。
店にあるジョンロブのフィリップ2と比べてもその差は一目瞭然。
これだけの極細ステッチはビンテージシューズや高級ビスポークくらいでしかお目にかかれないレベルです。

一定以上の革質でなければ裂けてしまうでしょうし、そもそも既成靴でこのピッチを採用すること自体が狂ってますね。
実際、ミシンが煙を上げて壊れたこともあるようです。

もちろんステッチのピッチが細かい=良い靴だ、と簡単に判断してしまうのも愚の骨頂ですが、これがエレガントで美しいルックスを構成する一要素になっているのは紛れもない事実。

そしてターコイズブルーに染められた、工芸品のようなアウトソールも特徴のひとつ。
ドレスラインのモデルは基本的にこの仕様です。
履き下ろすのを躊躇する美しさ。

そして全モデルに共通するのがオリジナルのトゥスチールが付属するという点。
やはりグッドイヤー系の靴は履き始めに返りがつかないので、爪先が削れやすいですからね。
プラスドライバーで簡単に取り外せますので、必要ない方は取ってしまってもいいでしょう。

お次はロングウィングチップモデル。

トリプルソールでウェルトは2段組みと重厚ながら、ウェストンやディンケラッカーほどのボリューム感はなく、うっすらエレガンスすら漂う巧みなバランス。

アッパーには、銀面をペーパーで削り、ワックスと手アイロンでツルッとした表面に仕上げた銀スリキップレザーを採用。
チャーチのポリッシュドバインダーカーフの薄化粧バージョンみたいな質感といえば伝わりやすいでしょうか。
このデザインにも、この靴が体現するタフさという点においても見事にマッチしています。

さらに羽根部分は型押しレザーで切り替えられており、より立体感のある表情に。

アグレットはタッセル仕様。

ウィングラインとのバランスが絶妙な、細すぎず、ぽってりすぎないラウンドトゥ。
ウェルトは前身頃のみダブルになっているので、野暮ったくなく、トゥの高さが抑えられていることもあって思いのほかスマートに履きこなせます。

ソールは高耐久ながら厚みが抑えめのビブラム269。
トップリフトには削れやすい外側に真鍮製のネイルを打つなど細かい配慮が見られます。

そしてお次はプレーントゥダービーモデル。

シンプルなだけに繊細なバランス感覚が求められますが、1mm未満の違いを追求するだけあってさすがの風格を漂わせます。

US NAVYのオフィサーシューズがデザインソースかと思いますが、それにはない極細ステッチがエレガンスを注入。
それでもアッパーにはロングウィングチップと同じ吟スリキップレザーを採用することで、無骨さも匂わせます。

出し縫いのピッチも細かく、ストームウェルトも丁寧に美しく処理されているため、オールデンあたりとも全く異なる雰囲気。

ラストは1504。
カルマンソロジーのカジュアルラインで多用されているこのラストはクセが少なく、万能であらゆる方にフィットしやすいため、初めての一足にもオススメです。

こちらもダブルソールで接地面はビブラム。
悪天候も気にせず、ガンガンお使いいただけます。

最後は事前人気No.1だったダブルモンク。

ダブルモンクというとどうしても起源であるジョンロブのウィリアムと比較してしまいがちですが、巧みなサジ加減でそれとは異なるムードを纏わせる手腕は実にお見事。

職人さんの手で一つ一つ成型されるオリジナルの真鍮バックルは、1940年代のエンジニアブーツに見られるプレス抜き型で作ったものを再現したということで、ハンドメイドならではの不均一性が温かみを感じさせます。

アッパーにはロングウィングチップやプレーントゥダービーなどと同じく、銀擦りキップレザーを使用。
ストームウェルトを配し、程良くぽってりとしたラウンドトゥのラスト1504を採用することで、元祖よりもタフでカジュアルにも使いやすい仕上がりです。

とはいえ、ステッチの細かさはこちらのモデルでも健在。

無骨になりすぎることなく、気品も備えた絶妙な塩梅です。

こちらもダブルソール&ビブラムということで耐候性が高く、とっても丈夫。
気負わずデイリーに活躍します。

そして、真っ白な専用ボックスに専用シューバッグが付属する点は全モデル共通。
シューバッグは内側が起毛していて適度に肉厚なので、靴への当たりが優しい仕様。
こんなところにまで細かい配慮が感じられます。

しかも靴が完成したあと、デザイナーさん自らが一足一足を磨いてから出荷しているというから驚きです。
まぁ日産2足の規模だからできることかもしれませんが、靴に対する情熱と深い愛情を感じますね。

と、長々とゴタクを並べましたが、とにかくこの素晴らしさは言葉や写真では伝えきれません。
ぜひ一度手に取ってみて下さい。
そして履いてみて下さい。
きっと感動していただけるはずです。

CALMANTHOLOGYの商品はこちらから
https://dresswell.jp/onlineshop/item/brand/calmanthology

Written By Kohei

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