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Italian Craftsmanship Trunk Show 23aw

Journal / News

前回も大盛況でした、イタリアンクラフトマンシップの真髄をご堪能いただける、恒例のトランクショー。

今年の夏も開催が決定しました。

ただし、今回はイレギュラー。
この企画のフィクサーでもあるイタリア在住T氏が諸事情により帰国できないため、T氏不在での開催となります。

名だたるラグジュアリーメゾンの企画屋としての経験や、イタリア最高峰職人との二人三脚でのモノづくりで培われた、表も裏も知り尽くした圧倒的知見に基づくマシンガントークが聞けないのはとても残念ですが、イベント用の商品はしっかりご準備いただきましたのでご安心を。

しかし今回もすさまじいです…

日本はおろか、イタリアでも極めて入手困難な、特別なコネクションに基づいて調達された超絶クオリティレザーを用いたハンドソーンシューズや、デザインと技術力がかつてない高次元で融合した新感覚のソフトシューズ、正真正銘カシミアの頂点中の頂点である最高品質糸を使用したニットなど、とんでもない逸品揃い。

しかもそれらは代理店や商社などを通さない、工房側とのダイレクト取引ということで、相場からは考えられないほどの優しい価格設定になっているというのも大きな魅力のひとつです。
いくら最高の商品だったとしても、現実的に買えないような値段だったら意味がないですから。

さて、気になるラインナップですが、

(1)PEZZETTINO – 新作ターンシューズ(ご予約受付) – Unisex

(2)GINO RAIMONDI – 超絶クオリティのデッドストックレザーを使用したハンドソーンシューズ(ご予約受付) – Mens

(3)GINO RAIMONDI – ラマレザーを使用したハンドソーンシューズ(ご予約受付) – Mens

(4)SANTI – ロロピアーナの最高峰中の最高峰カシミア残糸を使用したハンドフレームニット(ご予約受付) – Unisex

(5)MASTRO PIERINI – 定番オーダーバッグの新型ミドルサイズ(ご予約受付) – Unisex

(6)当店オリジナル – “ブラックカラー”のヘラジカレザーを使用したショッパーバッグ(その場でご購入可能) – Unisex

といった感じで、今回も魅力的な逸品が揃っています。
ちなみに、(1)や(5)は前回イベント時にファーストサンプルをお披露目しましたが、今回は完成形としてさらに洗練されたものになっていますのでどうぞお楽しみに。

開催期間は、9月2日(土)から9月10日(日)までの9日間。
いつもは土日月の3日間のみですが、今回はT氏不在を逆手に取って、じっくり長めに行わせていただきます。

同期間内にてオンライン上でも開催予定。
遠方の方もどうぞお見逃しなく。

それでは個別の商品紹介を。

まずはPEZZETTINO(ペッツェティーノ)。
圧倒的クオリティと美しさを兼ね備えたレザーサンダルを筆頭に、イタリア随一の技術力と高い美意識に裏打ちされたネクストレベルの逸品が揃うブランドとして当店ではお馴染みかと思います。

今回、満を持して初の革靴をリリース。
ついに来ましたね。

というのも、PEZZETTINOを手掛ける職人(名称等すべて非公開のため、以下X氏とします)の本業は、誂え靴。
いわゆるビスポークシューズの製造を生業としています。

Ziziさんというイタリアの伝説的靴職人の唯一の愛弟子であるX氏。
伝統的な靴づくりにおける職人的技術が最も発展したといわれるボローニャにおいて、X氏は最も腕の立つ職人の一人として評価されており、その彼がPEZZETTINO名義で初めて革靴を手掛けるとなれば、もう期待しかありません。

そして登場したのが、このターンシューズ。

クラシックな革靴の面構えを残しながらも、芯を据えてカチッと自立させたものとは明らかに異なる、柔らかな表情。
長年履き込んだような風格がありながらも、やり過ぎ感はなく、品の良さも感じられるシャビーな佇まい。

素晴らしいですね。

元々は画家志望でアーティスティックな側面も色濃いX氏。
ラグジュアリーメゾンからデザイナーとしてのオファーを受けることもあるほど、職人としては珍しくデザイン力にも長けています。

この手の誂え靴職人が量産靴を手掛ける場合、ビスポークシューズをベースにしながら工場生産向けに簡素化、単純化したエントリーモデル的なものをリリースするのが一般的なように思いますが、彼はそんな安直な発想でモノづくりをすることはありません。

ということでこの新作シューズ、あくまで伝統的な靴作りを踏襲しながらも、全くの別ベクトルから革靴の可能性を押し広げるような野心作に仕上がっています。

あ、ちなみにこちらはサンダルと同じくユニセックスモデル。
ということでサイズレンジも広く、老若男女問わずお召しいただけます。

ちなみにターンシューズといえば、中世に履かれていた革靴の一種で、一枚革で裏返しに組み立て、完成時に表裏をひっくり返す製法が特徴。
現代で言えば、レペットの名作モデルZiziなどが代表的でしょうか。

アッパーが一枚革でソールが薄く、柔軟性に富んでおり、素足に近い感覚で履けるもの。
ダンスシューズなどにも通ずるものがあります。

ただ、割と原始的で単純な構造かつ、ソールの薄さに起因して地面からの突き上げが激しく、履き心地という点では疑問が残るものがほとんどかと。
ルックス的にも捨て寸が少なく、ポテっと丸みのあるトゥで可愛らしいものが多い印象です。

その点、この新作ターンシューズは、しっかりと吊り込みもされた、シャープでいわゆる本格靴然としたフォルムですし、モード感を匂わせながらもコーディネートに落とし込みやすいバランスにまとめてあるため、靴だけが悪目立ちするようなこともありません。
後述しますが、もちろん見た目だけではなく、その履き心地の良さも格別。

PEZZETTINOのサンダルで履き心地の良さを実感されている方には想像しやすいかもしれませんが、今回のこれも相当凄いです。

この見るからに柔らかなアッパーレザーは、なんとムートン。
ラムスキンのような柔らかさを有しながらも、裏地をつけなくて良いしっかりとした厚みがある革ということで採用されています。

ムートンというと、毛のついたモフモフっとした極厚のものを想像してしまいますが、今回使用しているのは毛なしで2mm強の厚みがあるレアなタイプ。
しかもこれくらいの厚みのものは主にアクセサリー向けに販売されているらしく、その多くは傷やシワを隠すためにスエード加工がされているものがほとんどとのこと。

ということで、このシューズに使用しているようなスムースレザーで2mm厚の毛なしムートンというのはより珍しいそうです。

また、この革はある程度の年齢に達した羊のものであるため、傷やシワが多く、その点がウィークポイントと捉えられがちですが、X氏はむしろこれを個性として着目。

白い革というのは特に汚れが気になるものですが、汚れがニュアンスとして機能するのであればそれはマイナスではない、というよりむしろそれは魅力である、という考え方ですね。

汚れやすさを逆手に取った、エイジングを楽しめる白い革靴に仕立ててあるということで、汚れを気にすることなくスニーカー感覚でガンガン履いていただけます。

そしてこのシューズ最大の特徴は、返りの良さ。
ご覧の通り、丸めることができるほどの柔軟性があります。

アッパーがムートンの一枚革ということもあり、一般的な革靴とは比較にならないほど激やわで吸い付くような肌当たり。

この未体験な感覚は、一度足を通していただかないと分からないと思います。

ただ、これだけソールの返りが良いということは底周りが薄いということに他ならず、それに起因して”疲れやすい”という問題が出てきます。

イタリア系のローファーなどでよく見かけるマッケイ製法の薄いソールのものや、女性であればフラットシューズ全般で、「履き始めは良いけど、歩き続けると疲れる…」といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ソールが薄いと、地面からの突き上げがダイレクトに感じられて足が痛くなるというのもあるあるです。

しかしこのターンシューズは、その点に対処した特殊構造を採用することで、そのソールの薄さからは考えられないほどの疲れにくさを実現。
このあたりは、誂え靴においてもアッパー側からだけでなくソール側からのアプローチも重視するX氏ならではの視点が盛り込まれています。

表からは分かりにくいですが、中底には柔軟かつしなやかさで可変性に優れた4.5mm厚のショルダーレザーを使用。

その上には整形靴に用いられるという、2mmの形状記憶スポンジを配置。

ちらりと見えるカラフルな層がそのスポンジです。

さらにその上から中敷きとして、アッパーと同じムートンレザーを1mm厚に漉いて使用。

ソールは一見すると一体型に見えますが、ハーフラバーと同様の方法で2mmのゴムを貼っています。
もちろんSVIG製で、ビブラムなどよりも弾力があってソフトなのが特徴。

しかもこのゴムソール、ハーフラバーと同様の方法で貼っているというのがポイント。
見た目にはフルの一体型ラバーソールに見えますが、それだとフロント部分を交換する際にヒール部分も含めた全部を交換することになり、ランニングコストが上がってしまいます。

それだけでなく、前述のように丸めたりした場合、通常のハーフラバー仕様ですと剥がれてしまいます。
これを防ぐために特殊構造を採用。

上記画像をよくご覧下さい。
相当分かりにくいと思いますが、ヒール接着部分に切れ込みを入れ、そこに差し込む形でハーフラバーを貼っています。
これにより、丸めた際にも安心ですし、返りの良さによる接着剥がれリスクも低減できます。

さすがよく考えられていますね。

こういった形で、見た目には非常に薄く、いかにも路面の衝撃をダイレクトに拾いそうに見えるソール部分は、そのすべてがフットベッドを成形できる素材で構成されているため、足にかかる負担を大きく和らげることができる、という訳です。

ただ、このソール周りのフットベッド化の一番の肝となるのは、このヒール仕掛けられた特殊構造にアリ。
実はこのヒールの内部には意図的に若干の空間が設けてあります。

なぜか?

こうすることで、このヒール部分がソール周りの中でも先行して沈み込んでいくため、かかとを中心にしてフットベッド化が進んでいきます。
これにより、薄いソール部分に負担が集中したフットベッド化を避けることができるため、厚みのあるかかと部分により負担を分散できるインソール化が自然に出来上がる仕掛けになっているという訳です。

これがフットベッド化を実現する上で最も重要なポイントらしく、この仕掛けを施すことで、前半部分のソール構造が生かされる仕組みになっているとのこと。
文章にするとちょっと分かりにくいですが、足を通していただければ一発でご理解いただけるはずです。

そして前述のとおり、基本的に一枚革で構成され、先芯はおろかカウンター芯すらないアッパー構造ということもあって、

かかとを踏んでも履いていただけます。

もちろん、かかとを上げていただいた方が歩きやすいのは言うまでもありませんが、ちょっとそこまで、というときにスリッパ感覚で履けるというのは地味に便利です。
あえてかかとを踏んでソックスをチラ見せし、アクセントを効かせるといったファッション的視点で活用いただくのもアリかと。

あと、私は足にかなり汗をかく方なので無理ですが、肌当たりがとっても気持ち良いので、暖かい季節には素足で軽快に履いていただくのもオススメです。

実は前回のイベント時にファーストサンプルをお披露目していたのですが、その時点でプロダクトとしては完全に仕上がっており、それはそれで素晴らしいものでした。

ただ、あくまで我々の提案するファッションスタイルとの親和性を考えた場合には、靴単品での個性が強すぎるきらいがあったため、もう少しクリーンでミニマム寄りにアレンジしていただくことに。
こちらのわがままを聞き入れてくださり、本当にありがとうございます。

主なアレンジ箇所としては2点。
(1)紐の追加と、(2)エイジングパティーヌ加工の有無です。

まず(1)ですが、当初はかなり個性的な靴紐が2点付属するという仕様でした。

ただ、シンプルに履きこなしたい局面も想定し、ビンテージの平紐の追加が決定。
経年により落ち着いたトーンと風合いに変化した、相性抜群の一本です。

もちろん当初の2種類も付属しますので、計3種類のシューレースからお好きなモノをご選択いただけます。

残り二本のうちの一本がこちら。

カットオフされ、綻びが存在感を放つ布製の紐。
ブラウンカラーやステッチもアクセントになっています。

こちら、革を鞣すためのタンニング液につけて染めたもので、トーンにはムラがあり、いかにもエイジングが進みそうな風合いです。
一応、アッパーに色移りする可能性がありますので、その点はあしからず。
汚してなんぼ、みたいな靴なので逆にカッコよくなる可能性も大ですが。

最後の一本は、大胆にもシャンパンカラーのリボン紐。

こちらはあえて新品の、ツルッと光沢のあるサテン生地で、薄汚れたアッパーの風合いとのハッキリとしたコントラストが特徴。
大きく雰囲気が変わりますね。

男性にとっては馴染みが薄く(ジョンロブのガルニエにはリボン紐が付いてましたけど)、なかなかにハードルが高いかもしれませんが、使い込んでくすんできたり、裂けてきたりして紐もダーディーさを纏うようになれば、それはそれで物凄くカッコいいかもしれません。

アレンジ箇所その(2)は、エイジングパティーヌ加工の有無。

向かって右がファーストサンプル、左が完成形のサンプルになります。
右のものには、つま先を中心に汚し加工が施されているのがお分かりいただけると思います。

元々アッパーのムートンレザーには汚れやキズがあるため、完成形バージョンでもくすんだ風合いなのですが、パティーヌを施した方は長年履き込んだような強めのコントラストが付いた、アルチザン系シューズを思わせる佇まいに。
キャロルクリスチャンポエルを彷彿とさせますね。

それはそれでカッコいいんですが、セルジュゲンズブールがレペットをサラッと履きこなしているように、さりげなくシンプルに履きこなしたいという個人的願望もあって、汚し加工なしバージョンでも生産していただけることに。

加工についてはご予約時にお選びいただけますので、お好きな方をどうぞ。

という感じで説明はザッと以上になります。
今回も長々とお付き合いいただきましてありがとうございました。

ですが、このターンシューズに関してはまさに、百聞は一見にしかず。
とにかく一度履いてみて下さい。
異常なほどの柔らかさと、ソールが薄いのに突き上げが優しい、不思議な履き心地に驚かれるはずです。

イタリアでもトップ中のトップのビスポーク靴職人が手掛ければ、本来単純な作りのターンシューズもここまで美しく、履きやすくなるのか…
改めてX氏の技術とセンスに脱帽です。

ぜひイベントをお楽しみに〜

そして、イベントに合わせて当店オリジナルのアレが奇跡の再入荷。
しかもブラックバージョンで新登場です。

詳細は後日。

Written By Kohei

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