9月2日(土)から9月10日(日)までの9日間で開催させていただきます、”Italian Craftsmanship Trunk Show 23aw”
前回ご紹介させていただいたPEZZETTINOのターンシューズも、男女問わずたくさんの反響をいただき、嬉しく思います。
ありがとうございます。
もちろんそれだけではありません。
ということで今回も早速イベント商品のご紹介を。
GINO RAIMONDI(ジーノライモンディ)の新作メンズシューズです。
現行品とは比較にならないクオリティの希少なデッドストックベビーカーフを使用し、ハンドのモカ縫い、ツイステッドラスト、ハンドソーンウェルテッド製法など、ハイレベルで高コストな仕様を盛り込みながらも、市場相場からは考えられないほどのお手頃価格を実現した、T氏肝入りの工房靴。
前回のイベントでもたくさんの方にご購入いただきました。
イタリア製で同系統との比較で言えば、Le Yucca’s(レユッカス)やEnzo Bonafe(エンツォボナフェ)あたりが競合になるかと思いますが、それら以上のクオリティを誇りながらも税込10万円アンダーってどうかしてますよ…
そのレベルの高級靴工房にもしょっちゅう出入りしているT氏からすれば、むしろ他が高すぎるという話なのかもしれませんが。
なお、インカスのデッドストックベビーカーフを使用した現行品は、革を使い切ったため、現在庫限りで終売となります。
円安&物価高でいろんな革靴が値上げとなっている昨今、こんな価格設定は二度とできないと思いますので、ご検討中の方はどうぞお早めに。
https://dresswell.jp/onlineshop/item/166025824
しかし今回、それを超えるスペシャルレザーを纏った特別モデルをお披露目します。
まずはラマカーフモデル。
理屈抜きにこれがめちゃくちゃカッコいいんですよ、奥さん!
スムースでツルッとしたベビーカーフとは趣の異なる、シボたっぷりの豊かな表情。
そしてとっても柔らかくてしなやか。
モチっとしたタッチもたまらないですね。
ちなみに、ラマとは南米アンデス地方に生息するラクダ科の動物で、その革はシボ感があり、非常にソフトで軽いのが特徴のようです。
ただ、ラマの革というのは現在ほぼ流通しておらず、今回のこの革も実は牛革をラマ風に加工したものであり、ラマカーフという名称が付いています。
なんだよ、ニセモノかよ〜と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、これが本物と見分けがつかないほど精巧らしく、イタリア最高峰ビスポーク工房のひとつであるMARINI(マリーニ)では、堂々とラマの革として紹介されているそうです(大丈夫なんでしょうか…?)
あとはステファノベーメルやアルティオリなど、いずれもハイエンドなところで見かけますね。
なぜそれほど錚々たる面々がこぞって使用しているのかということですが、このラマカーフ、ただの型押し革などとはワケが違うんですよ。
まずこのシボ、完全にランダムで二つと同じものがありません。
これは硫酸を入れてタンニングすることで元々のシワが表に出てくる、という特殊な技法による賜物らしいのですが、スタンピングやローラーで均一な柄をつけたものとは異なりますので、見た目にもとても自然な仕上がりになります。
また、型押し系の革の場合、吊り込み時の引っ張りにより、つま先はシボが消えてしまうといったことが起きますが、これはその心配もありません。
しかもこのラマカーフ、ベビーカーフ同様に非常に薄くてしなやかなレザーのため、特別な機械を用いない限りはグッドイヤーでは作れないとのこと。
このため、現実的にはマッケイかハンドソーンで製造するしかないそうで、グッドイヤーメインのブランドでは採用しにくいというのもあるそうです。
というか、この革は世界で最も高級なシュリンク系レザーと言っても過言ではないそうですので、そもそも気安く取り扱えるものでもないのですが。
例えばボナフェでも、マッケイ製法にも関わらずハンドソーンラインと同価格帯になっていたりしますので、この革がどれだけ高価かお分かりいただけると思います。
あ、ちなみにネット検索すると、別のタンナーでもラマに似せた革というのは存在するようですね。
が、画像で見る限りは明らかに別物で安っぽく、このラマカーフの足元にも及ばない感じ。
やはりこの革の質感はスペシャルです。
にしても、この革とクラシカルなUチップデザインの相性の良さたるや。
当然今回もモカは手縫いですので、機械縫いとは雲泥の差で立体感がありますし、トゥにかけてシャープな曲線を描きながらもロングノーズではなく、上品なバランスとボリューム感がありますので、オンオフ問わず使いやすいと思います。
またこのグリーンカラーが洒落てますよね。
フォレストグリーンのような深みのあるトーンかつ、ランダムなシボ感が表情たっぷり。
これからの季節、やれたツイードのパンツなんかに合わせても素敵ですし、シンプルにベージュのチノやリジッドのインディゴデニムなどと合わせても良さそう。
なかなか緑の靴と聞くと構えてしまうものですが、むしろ積極的に履いてみたいなと個人的にも思わせてくれた一足です。
もう一色のサンプルはブラック。
こちらも惚れ惚れするようなカッコ良さ。
ちなみにお色は計8色からお選びいただける予定。
なお、革の在庫状況は日々変動します。
グリーンなど、在庫が残り少ない上に再生産されないカラーもありますので、お早めのご検討をオススメするところです。
そしてこちらはちょっと番外編。
インカスのデッドストックベビーカーフの残りを使用して製作したサンプルなんですが、特別な仕上げが施されています。
いわゆるアンティークフィニッシュと呼ばれる、つま先などを中心に濃淡のグラデーションをつけたものですが、非常に美しく、自然な階調になっているのがお分かりいただけるかと。
こちら、Lから始まるフランスのトップメゾンの靴工場にて、この手のフィニッシングを担当している職人にお願いして仕上げてもらったものなんです。
今後は、この職人と手を組んでこういったフィニッシングを施した革靴やバッグを展開していけたら、ということでT氏がサンプルを用意してくれました。
ということで一足しかありませんが、こちらも販売可能ですのでサイズの合う方はぜひご検討を。
ちなみにサイズは7(41)(26-26.5cm程度)です。
と、話が逸れてしまいましたが、ラマカーフの他にもうひとつ、異次元のスペシャルレザーモデルをご用意しています。
それがこちら。
コードバンやエナメル等の樹脂コーティング系のような異質な光沢感、でもこれ牛革のスムースレザーです。
こちら、タンナー名すら不詳の、謎のデッドストックベビーカーフ。
いやはや、とんでもないものをT氏は見つけてきてくれました。
これまで採用していたインカスのデッドストックベビーカーフも、今では作ることができないレベルの素晴らしいものでしたが、今回の革はそれを数段上回る雲上クオリティ。
恐ろしいほどのキメの細かさとキズの少なさ、惚れ惚れするような透明感のある風合い、まさに極上です。
ちなみにこの革、T氏の好きなイタリアの地名から、Garda(ガルダ)と名付けられました。
このガルダ、出処はエルメスなどのトップメゾンやイタリアでもトップのビスポーク工房御用達のとあるタンナー。
生地屋でいうところのマーチャント的な動きもしている名門で、選りすぐりの高品質レザーのみを取り扱うことで有名です。
例えばデュプイの革であっても、その中でとびきりのクオリティのもののみを厳選して取り揃えているため、同じコレクションの革だったとしても他の商社が販売しているものに比べ、クオリティも価格も数段上という感じ。
そんなタンナーが倉庫の整理をしていたら出てきたというデッドストックレザーですので、詳細不詳だったとしても品質が悪いわけがありません。
何枚か画像を見られてお気付きの方も多いかと思いますが、こちらのサンプル、違いが分かりやすいようにヴァンプからトゥにかけての部分と羽根からクォーターにかけての部分は別々の革が配置されています。
まぁ、一目瞭然だと思いますが、トゥ側がガルダ、そして羽根側が前回のインカスベビーカーフですね。
同じネイビーですが、インカスの方が色が明るいのと、トラやシワが目立つ部位を使っていることもあって、その差は歴然。
何度も断っておきますが、インカスのベビーカーフもかなり昔のデッドストックで、革を獲るために牛を育てていた時代のものですから、現行では見つけられないほどのクオリティなんですよ。
ただ、今回の革があまりに凄すぎるんです…
このガルダを見つけたときの逸話があるのでご紹介します。
ある時、このタンナーから「カールフロイデンベルグのデッドストックが出てきた」とT氏宛に連絡があったそうです。
今は亡きフロイデンベルグのボックスカーフといえば、世界最高品質の革とも言われる名品。
期待を胸に膨らませ、T氏はタンナーの倉庫に向かったそうです。
しかし結論としては、フロイデンベルグを買い付けることはなく、この無名のガルダを購入。
なぜか?
単純にこちらの方がクオリティが高かったからです。
ただし、一応補足すると、今回出てきたフロイデンベルグの革は恐らく最後期のものだろうとのこと。
最盛期のカールフロイデンベルグの革は、それはそれはぶっちぎりの品質を誇っていたそうなのですが、環境規制の問題でゴタゴタし始めてから、タンナー部門が閉鎖になるまでに、どうもクオリティコントロールが難しくなっていたようです。
とはいえ腐ってもフロイデンベルグ、十分にハイレベルな革だったらしいのですが、あまりにもガルダのクオリティが高すぎて霞んでしまったとのこと。
このエピソードからも、この革がどれだけ凄まじいクオリティなのかがお分かりいただけるかと思います。
そしてタンナー曰く、今後まとまった量でこれだけの品質の革が出てくることはほぼあり得ないだろうとのことですから、このガルダがどれだけ貴重なものか、これを手に入れられたことがどれだけ凄いことなのか、というのもお分かりいただけるかと。
T氏の目利き、コネクション、実績、人望の賜物です。
ちなみに、お色はネイビーとブラックの2色。
もちろんハンドソーンで作りますので履き始めから返りが良く、アッパーの柔らかさを損なうことはありません。
なお、ラマカーフモデルもベビーカーフモデルも、Uチップ以外の形でご予約いただくことが可能。
現時点では、ストレートチップ、ホールカットからもお選びいただける予定です。
こちらがストレートチップ。
冠婚葬祭全対応ならこれ一択です。
Uチップと同じ木型を使用。
シンプルでクセのない形ですが、唯一、シュータンの先端を一枚革にしているのがこの工房の伝統だそうです。
そしてこちらがホールカット。
切り替えが入らない分、革の良さや柔らかさがダイレクトに感じられます。
こちらはUチップやストレートチップとは異なる木型で、スクエアトゥが特徴。
フォーマルなシチュエーションでの使用に限定せず、例えば靴紐の色をカラフルなものに変えるなどして、カジュアルにもガンガンお使いいただければと思います。
ということで今回も恐ろしく強力なラインナップ。
こちらについても、前回ご紹介したターンシューズ同様、オンラインショップ上でもご予約いただけるよう準備中ですので、遠方の方も楽しみにお待ちいただければと思います。
実は、このガルダを使用したレディース新作シューズのサンプルもイベント前ギリギリに入荷予定。
これが猛烈にクラシカルで美しいので、女性の皆様はどうぞご期待下さい。
イベントの商品紹介はまだまだ続きます…