Dresswell

Aging Avancorpo Derby Shoes

Journal / Items, Orchestra, イタリア工房製品

ORCHESTRA(オルケストラ)の新作シューズ、こちらが最後の5足目になります。

これまでにお披露目した4足とは毛色の異なる無骨な雰囲気ですが、「もっと気軽にスニーカー感覚で革靴を楽しんでほしい」というT氏の想いはこちらのモデルでも健在。
歩行にコンセプトを置いたモデルということで、むしろ歩きやすさという意味ではこちらがNo.1と言えそうです。

早速ご紹介します。

ぽってりとしたラウンドトゥ、張り出したコバ、高いトゥスプリング、荒々しい革の表情など、一見するとカルぺディエムやグイディなどのアルチザン系を彷彿とさせますが、それらこだわりのモノづくりを標榜するブランドを凌駕する本格靴要素が満載の意欲作。

まず、他のOrchestraの新作と同様、こちらもハンドソーンウェルテッド製法を採用。
カルぺやm.a+も大半がマッケイだと記憶していますし、Guidiもほぼグッドイヤーですから、この手の雰囲気のものでハンドソーンというのは案外珍しいかと思います。

もちろん、ただ単純に手縫いだからすごいでしょ?ってことじゃなく、あくまで「歩行」というコンセプトに沿った上での採用です。
もちろんその分コストは上がってしまいますが…

アッパーレザーはAvancorpo(アヴァンコルポ)。
Mastro Pieriniのオーダーバッグでもラインナップに入っているあの革です。

Guidiから独立したタンナー、Nova Pel社のもので、ホースレザーになります。

こちらは首から肩にかけての革ということでとても丈夫な部位。
しかも柔軟性もあります。

後述しますが、この靴の特殊な構造を考慮すると、アッパーにカーフレザーを採用してしまうと痛くて履けませんし、ベビーカーフでは耐久性に不安があります。
同じ馬革のクラッタという選択肢もありますが、アヴァンコルポの方がより柔らかく、耐久性が高いということで採用が決定。

運動量が多い箇所のため、シワやトラが目立つのも特徴ですが、こういったテイストであればそれも気にならず、むしろ味わいとしてプラスに作用してくれます。

さらにそれにヤスリ掛けを行なっており、履き込んだような表情に。
これについては、オプションで行わない仕様にも変更可能です。

こういう靴はピカピカに磨いて丁寧に履くというよりも、キズなど気にせずラフにガンガン履くのがお勧めですので、あえて行わないというのも手かもしれません。   

極端なほど反り上がったつま先に目を奪われますが、木型の特徴としては、トゥスプリングが高く、甲前部分が低く、それ以降が急激に高くなっているのがおわかりいただけるかと。

トゥスプリングが高いとその分蹴り出しが楽になり、歩行の快適性が増します。
最新のランニングスニーカーなどでも、トゥスプリングがやたら高くて、立っていると勝手に前につんのめりそうになるものがありますが、あれと同じ理屈ですね。

甲はじめを低く、それ以降を急激に高くすることで甲部分のつかみが良くなることもあり、見慣れない奇抜な木型に見えますが、かなり履き心地に寄り添ったものになっています。

ただ、甲は吸いつくようなフィッティングになりますし、屈折部分には常に負荷がかかるため、アッパーの革には柔らかさと耐久性が求められます。
そこで、これらを両立しているアヴァンコルポがアッパーに採用されたというワケです。

そしてさらに特徴的なのがソールの構成。

こちらのアウトソールに採用されているのは、なんとバッファローレザー。
これはかなりレアです。

店頭では革単体でのサンプルを実際に触っていただきながらご説明させていただきましたが、バッファローレザーは繊維が粗く、柔らかいという特性があります。

そのため一般的なレザーと比べて若干のクッション性が生まれ、履き始め当初の足馴染みに優れるというのもポイント。
しかもダブルソールですから、その効果はより感じていただきやすいかと。

柔らかさの中にもコシが感じられるレザーですし、さらにハンドソーン、そして前述の高いトゥスプリングも相まって、より快適な歩行に導いてくれます。

ということで、こちらのモデルのみ、あえてハーフラバー仕様にはしていません。

そしてこちらは意匠的な部分ですが、ヒールの積み上げにもこだわりが。

この部分は革を何層にも積み重ねているのですが、あえてこれを一枚一枚ずらすことでワイルドで退廃的な雰囲気を演出。

この画像が、層によって盛り上がっているところとそうでないところの差が一番分かりやすいですかね?
一般的な牛革だと積み木みたいに見えて不自然らしいのですが、繊維の荒いバッファローレザーだと加工しやすく、いい感じにムラが出てヴィンテージ感を演出しやすいそうです。

コバのサイド部分も削りを入れて丸みを持たせ、履き込んだような雰囲気を持たせてあります。

さらに見た目のもう一つ大きな特徴としては、シューレース(靴紐)が長いこと。
しかもこの紐、肉厚な革を切り出して作られています。

土ふまず部分にグルっと巻き付けて結ぶという提案ですが、この紐、ハサミで簡単に切れますので、普通の長さにカットして履いていただいても全然OKです。
お好みでどうぞ。

こんな感じで、どシンプルな革靴に比べればデザインが入っているものの、見た目にやりすぎていない、というのがこの靴の肝。
無骨でアルチザン系の雰囲気を匂わせながらも、それらにありがちな浮世離れした強すぎる個性は抑えめのため、大人の普段着として落とし込みやすいバランスになっています。

これ、かなり重要なポイントなんですよね。
靴単体として、オブジェとしては美しくてカッコよくても、コーディネートを破綻させてしまうような個の強さがあると使いにくいですから。

もちろんドレススタイルなどには向きませんが、軍パンや太めのデニムやチノなどミリタリー・ワーク系のボトムスとの相性は抜群ですし、あえて綺麗目なスラックスと合わせる感じも今っぽく、カジュアル使いとしては思いのほか守備範囲広め。

汚していくカッコ良さもある靴なので、お手入れがそれほど必要ないというのも楽チンです。
見た目に反して異常に快適な履き心地&万人受けするフィッティングということもあり、革靴に馴染みのない方にもチャレンジしやすい一足かと思います。

それにしても、トゥスプリング x  バッファローソール x 木型 x ハンドソーン x アヴァンコルポの組み合わせは非常に強力かつユニーク、他にはないオリジナリティに溢れています。

しかもそれらは単純な掛け合わせではなく相互作用しあっているというのが凄い。
このルックスながらも実は超硬派な本格靴なんですよね。

これをこのプライスに収めてくれているT氏には感謝しかありません。
ぜひこの履き心地に驚かれて下さい。

ということで、数回に渡って合計5足のOrchestra新作をご紹介しましたが、どれも非常に考え抜かれた秀逸なものばかり。
そして単純にルックス的にも美しく、カジュアルにも落とし込みやすくて履きやすいモデルが揃っています。

連日お問い合わせをいただいていますが、モデル選びで迷っているというお声も結構ありますし、まとめて2足以上のご購入を検討されている方もちらほら。
中には5足一気にご注文されたツワモノ常連様もいらっしゃいます。

ご予約は3/20 23:59で締め切りとなってますので、ぜひこの機会にまとめてご検討下さい〜

Written By Kohei

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